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お酒は程々に

「でもジェイデンって割りと色んな子と遊んでたよね?」 「!!」 俺の記憶だと、彼女だったり、そういう友達だったり、割りと遊び回っていたイメージがある。 「あれはいつか来るレイラとのためにテクニック磨いてたらしいぜ」 「歳上のプライドとか言って、馬鹿よね」 「お前らバラすなよ!!!」 ・・・それはちょっと。反応に困ると言うより知りたくなかった。ジェイデンは下心の塊だな。別にだからと言って嫌いにはならないし友達としては好きだけど、なんだか俺の中の世話好きなお兄さんイメージが跡形もなく消えていった。 「ま、まぁでも!テクニックは自信あるから嵐太郎で満足出来なくなったらいつでも言えよ!」 「満足してるし嵐ちゃんよりテクニックあったら俺の身が持たないよ」 「今日も帰ったら満足させてやるよ」 わお!嵐ちゃんたら大胆!!エミリアがキャーキャー言ってるじゃん。だめだよこんな人がいっぱいのとこでえろい声出しちゃ!ただてさええろい顔してるのに。あ、別に悪口じゃないからね。カエラとサハラとルイスなんてめちゃくちゃ爆笑してる。 その後も下ネタ多めの会話でお酒もどんどん進み、多分全員なかなかの酔っぱらいと化していた。 呑み始めたのも早かったけど、日付が変わる前に俺は既におねむの時間だ。明日は朝からカレンちゃんにモデルを頼まれていることもあり、今日は解散することになった。 「じゃあ、おやすみ〜」 「気をつけて帰れよ」 「またな」 三人とは別れて俺達も家へと向かう。みんななかなかの量を呑んだのでいい感じに酔ってへらへらしているのが面白い。 「レイラ家まで歩ける?」 「おんぶしてあげようか?」 「大丈夫〜」 お兄ちゃんズは今日も俺に甘い。でも酔っていても元々酒の強い俺達はそれ程ではない。眠さは確かにあるけど歩いていると少しは目が覚めてきた。 歩いて15分程の距離をみんなでわいわいしながら帰るのは楽しかった。家に着くと二人で呑んでいたらしい十六弥くんのカレンちゃんに、あまり羽目を外し過ぎるなよと注意されたけど、久々の再開だから大目に見てくれているのがわかる。明日の夜は家族でゆっくりしよう。 酔ってはいるけど少しなので、昼にストバスをして汗をかいてたこともあり、さっとシャワーを済ませるとそれぞれの自室に帰る。勿論嵐ちゃんは俺の部屋だ。シャワー後の濡れた髪のままベッドに転がると、消えていた眠気が一気に戻ってきた。 若干うとうとし始めた所に温かい体温が覆いかぶさり軽めのキスを顔中に落としていく。それが気持ちよくて、ただ少し擽ったい。 「レーイラ、寝かせないぞ?」 「え〜眠いよ〜」 すぐ目の前にある整った顔がいつもよりちょっとだけゆるっと力の抜けた笑顔なのが可愛い。誰だよこんなになるまで嵐ちゃんに呑ませたの。俺だよ俺達だよ! 「もぉー、嵐ちゃん可愛い顔するとかずるい〜」 「ははっ、可愛いの好きだろ?」 「大好き〜」 あぁ〜嵐ちゃんが可愛い顔でパンツを脱がしてくる〜。ついその笑顔にきゅんとしてしまった。かっこよくて可愛いとか俺の恋人最強かよ。元々顔がタイプということもあって、見てるだけで少なからず俺の下半身は元気を取り戻している。俺が睡眠より性欲を取る日が来るとは思わなかった。 「約束通り、俺のテクニックで満足させてやるよ」 「お手柔らかに〜」 二人になってからの方がみんなと呑んでいた時よりもにこにこしている嵐ちゃん。お兄ちゃんの凛ちゃんと同じで嵐ちゃんも酔うと表情筋が緩まるタイプらしい。俺は十六弥くん達みたいに呑んでもテンションが上がるだけであまり普段と変わらない。

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