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また会う日まで

GWのイギリス滞在も今日で終わる。一週間なんてあっという間で、久々のみんなとの再会でなんだか別れが名残惜しい。 ジェイデンやルイス、エミリアや他の友達にも久々にたくさん会えた。馴染みの店にも色々顔を出せたし、嵐ちゃんの紹介もした。モデルの撮影も何度かカレンちゃんが入れてくれ、勿論家族とも過ごせてかなり充実した連休だった。 「またこっちに戻る時は連絡くれよ」 「次は俺達も日本に行こうぜ」 「そうね!色々案内してね!」 空港に向かう前に家に顔を出してくれたジェイデンとルイスとエミリア。 「勿論!」 「三人とも元気でね!」 「観光地たくさん調べておくよ」 三人はイギリスでのお兄ちゃんお姉ちゃんだ。ここに引っ越してすぐの頃に出会い歳下の俺達に色々なことを教えてくれた。勿論これからもその関係は変わらないと思う。 「嵐太郎、レイラをよろしく頼むぜ」 「ああ任せとけ」 ジェイデンと嵐ちゃんはこの一週間でいつの間にか打ち解けた。お互いに認めあったという方がしっくりくるかもしれない。 「嵐太郎といるレイラが幸せそうだからな。流石にいつまでも嫉妬してらんねぇよ」 「どうせみんなが日本に帰ってからしょぼくれるんだろ?」 「やけ酒なら付き合ってあげるわよ?」 「うるせぇ!!」 折角かっこよくキメようとしたジェイデンだけど、ルイスとエミリアの言葉に顔を赤くする。付き合いの長い二人にはバレバレみたいだ。 「俺、ジェイデンのことはお兄ちゃんとしても友達としても大好きだよ」 「そうだな。俺もこれからもお前らのこと、家族のように愛してるぜ」 最後にみんなとハグをし別れた。寂しさはあっても、俺達はまた会える。次会うのがいつになるか、どこで会うのかはわからないけど、楽しみに待っていよう。 行きと同じく十六弥くんと今日はカレンちゃんも一緒に空港まで送ってくれた。 「次は夏か」 「みんな、気をつけて帰るのよ」 日本だったら俺達が二人を見送る側なので、二人に見送られるのはなんだか去年の天羽学園に入学した時を思い出す。 日本に着いたらカエラとサハラもそれぞれの学園に戻るからしばしの別れだ。次に会えるのは夏休みなので約二ヶ月後。きっと二ヶ月なんてあっという間に過ぎるんだろう。でも、日本に着くまでのあと半日は思う存分お兄ちゃん達に甘えておこうと思った。 「やっぱ特に何もしなくても移動が長いと疲れるな」 「本当にねー」 何の問題も無く寮に着き、荷物を適当に床に投げ出したまま二人でソファーに雪崩込む。 移動だけでなく久々の旅行兼帰国で、色々な所を歩き回っていたので疲れも溜まっているのだろう。 「嵐ちゃんイギリスは楽しかった?」 「ああ。いい所だったな」 「ふふ、それは良かった」 つい久々のイギリスに嬉しくて嵐ちゃんをたくさん連れ回してしまったけど、楽しんでくれたなら良かった。 「ロシアもフランスも、ドイツやイタリアにも嵐ちゃんを連れて行きたい所がいっぱいあるんだよ」 「じゃあまた色々連れて行ってもらわないとな」 俺が好きな場所や人を嵐ちゃんにも知ってもらいたい。別にそれ全部を嵐ちゃんにも好きになって欲しいとかではないけど、俺が出会ってきたものを嵐ちゃんと一緒に感じたいなと思う。 「俺も、今度お気に入りの場所へ連れて行ってやるよ」 「え!どこどこー!」 「秘密」 嵐ちゃんのお気に入りの場所、とても気になる。でも秘密と言って教えてくれそうにないので、連れて行って貰う時の楽しみにとっておこう。 「明日の朝起きれるか不安だな」 「俺達前科あるもんね」

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