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遊園地に行こう

約束の土曜日。なかなかの晴天に恵まれちょっと陽射しが暑いくらい。まだ5月で梅雨も来ていないのにもう夏が近くまで来ているような感覚だ。温暖化かなぁ。あまり暑くならないで欲しい。 「レイラ、日焼け止めしっかり塗ったか」 「ばっちりだよ嵐ちゃん」 「ほら見て真斗!ジェットコースターあとで乗ろうぜ!」 「兄貴、はしゃぎすぎ」 「響也達も来れたら良かったけどな」 今日のメンバーは俺と嵐ちゃんに騎麻と真斗、のいちゃんに鷹の6人。響ちゃんやまみちゃん、ケイ、渚くんは誘ったけど予定があったので残念だ。 「鷹、何から行くの?」 「・・・がう」 「ん?」 「違う!!俺が思ってたデートと違う!!」 珍しく静かだと思ったら急に叫び出した鷹。まあ予想はしてたんだけどね。でも遊園地なら大人数の方が楽しいじゃん? 「折角レイラ君と二人っきりだと思ったのに!!観覧車でえっちなことしようと思ってたのに!!」 「だから来たんだよ」 「保護者付き!!むしろ彼氏付きデート!!!」 すかさず嵐ちゃんからのつっこみが入る。想像通りすぎて逆に面白いな。彼氏付きデートとか、それはもうデートじゃないんだけどね。 「鷹、えっちなことって何する気だったの」 「そりゃレイラ君のその小さいお尻に俺のちn・・・」 ゴンッ 「馬鹿」 最後まで言い切る前にのいちゃんの拳骨が。のいちゃんは今日この為に来たんだろうな。お疲れ様です。 それにしても遊園地に来るのなんていつぶりだろう。小さい時は何度か家族みんなで行っていたと思うけど、最近はあまり行った記憶がない。 まずは入口近くのアトラクションから攻めていくことにした。どうやらみんな絶叫系は得意みたいだから折角なら全部のアトラクションを制覇したい。 「嵐ちゃん実は絶叫苦手とかなら可愛いのに」 「残念だったな」 イケメン嵐ちゃんが絶叫苦手だったらギャップにキュンキュンしちゃうよね。つか、嵐ちゃんに弱点はないの? 乗り物の待ち時間を過ごしながら問題が一つ。 「ねぇ待って、俺もしかして鴇君の隣?みんなでデートはこの際楽しいからいいけど、兄弟で隣はトキメキが無さすぎでしょ!?」 「みんなでデートは良いのか」 「俺は兄弟全然ありだぞ、むしろたまには真斗と全力で遊びたい」 不満を訴える鷹とむしろ嬉しそうな騎麻。のいちゃんと真斗は微妙な顔をしている。俺としては別に誰が隣でもいいんだけどな。まぁ確かにアトラクションのペアくらいは、多少鷹の我儘を聞いてあげてもいいかもしれない。ここは無難にじゃんけんかな。 「最初は真斗が隣か」 「怖かったら手握ってもいいぞ」 「・・・怖くないし。俺実は真斗より歳上だからね」 じゃんけんの結果は俺と真斗。嵐ちゃんとのいちゃん。鷹は騎麻とペアになった。というか、俺達や騎麻のペアも大概だけど、嵐ちゃんとのいちゃんは二人共190cm越えの巨人コンビだから何だか威圧感が凄い。 じゃんけんだから仕方ないけど、俺とペアになれなかった鷹は次こそはと燃えている。ポジティブで何より。 「鷹はジェットコースター平気か?怖かったら手繋いでやるぞ?」 「騎麻君優しいよね」 騎麻が隣になった鷹にお兄ちゃんスマイルを振りまいている。騎麻はみんなに優しいからね。でも、鷹相手にそれはちょっと違う気がする。

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