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球技も色々あるからね

「え、今年は球技大会の種目違うの?」 黒板に書き出された種目名に教室の至る所から驚きの声が上がる。球技大会を再来週に控えた今日のホームルームは種目決めだ。 「今年は去年までと変わって種目は、バレーボール、ドッジボール、ハンドボールの3種目だ」 去年に引き続き体育委員を務めるみっちゃんが進行していく。 去年までのバスケ、サッカー、テニスからはガラッと入れ替わった種目。そして、今年はもう一つ追加されたルールとして、自分の所属する部活にはエントリー不可。流石にドッジボール部というのは無いけど、バレー部とハンド部は違う種目に出てもらう。 まあ今回大きく変更した理由としては、どうしても経験者が多いクラスが有利になるから。そして、運動が苦手な生徒への救済措置。 去年までのバスケやサッカーやテニスは、どうしても経験者の活躍が大きかった。そして運動が得意ではない生徒が頑張りにくい環境だった。 そこで、みんながそれぞれ新しい種目に挑戦することと、ドッジボールやバレーという、周りのチームメイトとカバーし合える種目を増やしてみたのだ。 「これまでと違う内容だからこそ、作戦次第でどの種目も戦力が大きく変わる。自分の得意分野を活かせる種目をしっかり選んでくれ!」 みっちゃんの言う通り、どの種目を選ぶかが大切。ハンドはバスケと似ている所が多いからバスケ経験者には向いていると思う。ただちょっとしたルールの違いがあるので柔軟に対応出来る適応力も必要。 ドッジボールはルールが簡単なのと、投げる強さや正確さ、逃げのスキル、相手との心理戦なんかも必要かもしれない。 バレーはボールを掴めない分、コントロールが難しい。普段からボールに慣れている人の方がその点では少し有利だろう。 「要何にするの」 「ドッジかハンドで迷うな」 うんうん。要は多分その二つがいいと思う。どっちかを選ぶとしたら、んー・・・ 「要はハンドじゃない?」 「そうか?」 「陣地からの攻撃より敵に突っ込んでいく方が向いてそう」 「確かにな」 ドッジボールも勿論強そうだけど、相手に向かって自ら攻め込んでいく姿が何だか似合うんだよね。要も想像してみてしっくりきたみたいで早速ハンドの所に名前を記入している。 「レイラ君は?」 「俺は今回バレーにする」 「あ、俺もバレーにしようかなって思ってた!」 俺と凌は同じバレーを選んだ。俺はあまりパワー系じゃないしハンドではバスケのような戦い方も難しい。ドッジボールはやった事がないけど、ちょっと人にボールを当てるというのに抵抗があるんだよな・・・。だって当たったら痛いじゃん?そうすると消去法でバレーになるんだけど。 「え、レイラ君ドッジボールしたことないの?」 「小学生くらいで大体の奴がハマるよな」 「周り大人だらけだったからあんま無いかなー」 日本だと小学生の大体が通る道らしいけど、俺は小さい頃から球技といえばバスケだったからなぁ。 「つか海外にもドッジってあるのか?」 「あるよー。アメリカンドッジボールってのがあって、6対6で6個のボールを投げ合うんだけどね」 「え!?ボール6個もあるの!?」 「うん」 やったことは無いけどアメリカンドッジボールは確かそういうルールなのだ。やたらボールが多いから色んな所から狙われて、自分が攻撃する時も気が抜けない。複数人に同時に狙われたら一溜りもない、なかなかハードなスポーツだ。絶対俺は体力が持たない。 順調に種目決めは終わり、ホームルームの終了と共に今日の授業が終わった。

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