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勝負に手加減は無用

「レイラ、机の上どうしたの?」 時期生徒会長として生徒会入りした俺の席は騎麻の隣。球技大会のための資料を纏めていると、耐えかねたように騎麻が声を掛けてきた。 「俺太りたいんだよね」 そう言うと机の上に積んであるお菓子の山からチョコを掴み口に放り込む。普段あまりお菓子やスナックを食べないので、口いっぱいに広がった甘さに眉を顰める。 「いや、それにしても、その量は体に悪いぞ」 「流石に全部が俺のじゃないよ?」 確かにどう考えても食べ過ぎだろう量が目の前にあるんだけど。これを全部自分で食べるつもりはない。 「レイラくん、チョコ」 「はい渚くん!」 「ありがと」 離れた席で作業をしていたはずの渚くんが気付けば俺達の目の前に立っていた。もじもじとする渚くんの小さな手にチョコを乗せてあげると嬉しそうに少し赤く頬を染めて、てててと小走りで自分の席に戻っていく。うんうん、渚くんはチョコ好きだよね。 「かぁ〜わい〜」 「・・・渚を餌付けするのもやめなさい」 呆れた顔の騎麻が机からグミをとって食べ始める。俺、グミは硬めのやたら歯ごたえのあるタイプが好きだな〜。ずっと食べてると顎痛くなるけど。 「球技大会は当日は体育委員とバレー部とハンド部に審判を任せるから、俺達はそれまでの準備を頑張れば当日は開会式と閉会式だけだな」 球技大会は体育祭程大掛かりでもないので生徒会としては、事前のルールの確認とトーナメント表の作成、優勝景品の準備さえしてしまえば後はフリー。当日のトーナメントの進行などは体育委員がやってくれるし、審判は各部活の生徒と体育委員に任せる。何か問題が起これば生徒会も駆り出されるけど、そこまで忙しくなることもないだろう。 「バレーの優勝は俺がもらうから」 「いやいやレイラ君!俺と真斗だって負けないっすよ!」 「バスケなら負けるけど、バレーなら俺らにも勝機はあるよな」 俺と同じくバレーに出るらしい鷹と真斗。いやいや何に出ても俺は負ける気ないからね! 「俺達も負けるつもりはないよ?」 「そうだよ!後輩には負けてらんないよ!」 「どうせ鷹は勢いだけだ」 響ちゃんまみちゃんのいちゃんも、実はバレーに出場する。みんなの実力はわからないけど、こんだけ生徒会長が集まるならギャラリーの量が凄いことになりそうだ。 「ケイと渚はドッジだから俺と一緒だな」 「騎麻先輩にも負けませんよ!」 「がんばる」 残りの3人はドッジボールに出るらしい。騎麻は間違いなく強い。それはわかる。ケイも実はかなり運動神経が良い。すばしっこさは勿論、意外なことにパワーもなかなか凄いのだ。でも、 「え、騎麻もしかして渚くんにボール当てるの!?」 「俺に、当てるんですか?」 騎麻のボールが渚くんに当たったら吹っ飛ぶよ?粉砕骨折するよ?それが無くてもこんな可愛い子にボール当てるなんて出来ないよ?俺の言葉にノッてきた渚くんとダブルで騎麻を攻める。 「ぇえ〜〜〜それ言われるとめっちゃ当てづらいんだけど・・・でも当てる!!」 俺と渚くんの攻撃に一瞬迷う様子を見せたけど、勝負を取ったらしい騎麻。まあ、冗談なんだけどね。渚くん可愛いけど男の子だから、大丈夫大丈夫。 「えぇーっ!嵐ちゃんバレーじゃないのー!?」 「寝てたらドッジボールになってた」 そんなぁ〜〜〜。今年も嵐ちゃんと勝負出来ると思ってたのに、嵐ちゃんがドッジボールに出るなんて・・・。ちゃんと俺バレーにするってアピールしといたのに!! 楽しみにしていたけど、仕方ない。 「代わりに、鷹のことボコボコにしてくるね・・・」 「おーおーやってやれ」

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