234 / 311
いける、いけるよ!!
バレーに出場するのは1チーム6人。
「身長的にアタッカー的ポジションは俺とゆっきーがメインかな」
「って言っても俺バレーは体育でくらいしかした事ないから上手くいくかな〜」
「どうにかなるなる!」
みんなバレーは遊び程度にしかしたことがないから、ポジションは何となくでしかない。作戦は簡潔に、みんなで守ってみんなで攻める!!
とりあえず輪になってパス回しをしてみることにした。
「そーれ!」
「はいはーい!」
「よっと!」
運動部の中でも球技をしている人間を集めてチーム編成をしたおかげか、簡単なパス回しは難なくこなすことが出来た。が、次にやってみたサーブ練習で問題が発生。
バンっ
「ホームラン!!」
ドカっ
「ファール!!」
バシっ・・・ぽと
「オウンゴール!!」
ラインを大きく越えていったり、横に飛んで壁に跳ね返ったかと思うと、ネットに当たって自分達のコートに落下するボール。・・・え、誰一人サーブ入ってないんですけど。その後も何回かそれぞれサーブを打ってみるが・・・入らない。
「俺らやばくない!?」
「ま、まだ大丈夫だよ!!」
「本番まで10日はあるから!」
「誰かは入るって!!」
「そ、そうだよね!?」
「うん!!」
ちなみに俺の打ったボールは空高く上がったのち、2階へと着地した。場外ホームラン。
その後は授業が終わるまで浸すらサーブ練習をすることにした。打ち込み過ぎて左手が痛い。最初よりは多少まともにはなったが、びっくりするくらいサーブが苦手な人間が集まってしまったようだ。
「レイラ君飛びすぎるから下から打ってみれば?」
「え〜だって上から打つ方がカッコいいじゃん」
しかもジャンピングサーブ!最近読んだバレーボール漫画で強い選手がやっていたのだ。見様見真似で練習し続けている俺のサーブは、凌から指摘された通りよく飛ぶ。そりゃもうラインなんて遥かに越えるくらいに。スピードがある分きまればなかなか強烈なサーブなはずなんだけど、どうしてもアウトになってしまう。角度の調整が難しいな・・・。そろそろ左手も打ち込み過ぎてヒリヒリする。
バシっ
「あ」
「え!今の感じ良かったね!!」
ダンっ
「おぉ!」
「なになに?レイちゃん急にコツ掴んだね!」
さっきまでホームランをきめ続けていたのが急に入るようになった。威力もそこまで変わっていない気がする。
「なんか、右手に変えたらいい感じになった」
「両利き便利〜」
打ち込む角度が丁度いいのか綺麗に決まっていく。え、楽しい。
「なんか優勝出来る気がするー!!」
「「いぇーい!!」」
「レイちゃんかっこいいー!!」
周りにいたチームメイトとハイタッチ。いける!いけちゃうよ!!これはもう勝っちゃうね!!
「凌、あいつらサーブだけで勝つつもりだぞ」
「・・・次は連携攻撃とかも練習しないとね、迅」
反対側でボールを集めていた凌と迅の言葉は俺達には届いていない。
球技大会は感覚的には遊びの延長くらいではあるけど、やっぱり勝ち負けがあるとなると燃える。勿論優勝景品の購買で年に数回だけ販売される、幻のチーズケーキだって今年も狙っている。
それに今年から、対戦こそクラス別だけど、球技大会での成績は体育祭の時の持ち点にもプラスされることになった。まだ色や組み合わせは決まってないから他の学年のどのクラスが同じチームになるかはわからないけど、いい成績を残すに越したことはない!
ともだちにシェアしよう!