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球技大会日和だね!

球技大会を明日に控えた今日の体育は最後の練習になる。 「レイラ!」 「come on!」 バシィッ!! 飛んでくるボールに合わせジャンプし、高い位置から打ち落とす。約一週間の練習でかなり様になってきたスパイクが綺麗に決まりトスを上げた迅とハイタッチ。 何事にも全力投球の2-S。バレーチームもいい感じに仕上がってきている。素人の集まりだが、それぞれ持ち合わせている運動神経でカバーし合えば、なかなかの戦いが出来そうだ。 「レイラ君めきめき上達していくね!」 「レイラくんはセンスの塊なのだ〜!」 凌に褒められ満更でもない。俺は褒められて伸びるタイプだからもっと褒めて。このままバレーの優勝も総合優勝も勝ち取りたい。種目は違うけど目指すは二連覇だ。 盛り上がりを見せたまま迎えた球技大会当日、ハプニングが起こった。 「え、大ちゃん休み?」 「そう、風邪。熱もあるから休ませた」 ドッジボールに出る予定だった大ちゃんが風邪をひいてしまったらしい。同室の迅が言うには大ちゃんは球技大会に出る気満々だったようだけど、熱が37.8度あったらしく無理矢理休ませたらしい。その方がいいと思う。 でも困った。 「大ちゃん、ドッジボールの主戦力の一人だったから痛いな」 去年俺と一緒にバスケに出場した大ちゃんはドッジボールでもかなりの主戦力だった。一人抜けるだけでもなかなかの痛手になる。 「誰か代理で二種目出るしかないな。俺が出てもいいんだけど・・・」 体育委員のみっちゃんがトーナメント表を確認しながら代わりの選手を探す。 「ダメだな・・・ハンドは試合時間が被ってるからバレーに出るメンバーの中からで頼む!」 どうやら既に出ているトーナメントでの組み合わせで時間帯が被っている試合があるらしく、バレーに出る人間がドッジと兼任するしかないようだ。 「え、なら俺出たい!」 二種目出れるとか楽しそう!しかもドッジボールでは一回戦で勝てば二回戦で3-Sに当たる。それはもう俺が出るしかないよね?嵐ちゃんと騎麻と戦うのはやっぱり俺だと思うんだよ。 「いや、レイラが出てくれるなら心強い!・・・あ、でも心強いけど、ほら、」 「お前体力ないのに二種目出れるのかよ」 みっちゃんが言いにくそうにしてたところを要がストレートにつっこんできた。別に要が言う前から気づいてたから。みっちゃんが言いにくそうにしてるの気づいてたから。 「レイラくん最近体力作り頑張ってたんですぅードッジボール出たいんですぅー」 土日は嵐ちゃんとジム通いをして、食事量も普段の1.5倍に増やした。おかげで実は増量に成功したのだ!1kgだけだけどね! 「じゃあ、レイラにバレーとドッジは頼んだ!!両方優勝目指してくれ!!」 「がってん!」 いやー、楽しくなるね今日は! まずはバレーの一回戦。相手は1-Cだ。目立った長身の生徒は見当たらず、比較的小柄なチームである。サーブの権利はじゃんけんによりこちらから。 「さあさあ、覚悟しろよ」 高く放り投げたボールに助走を付けて飛び上がる。大きく振り下ろした掌がボールを真っ直ぐ向かいのコートへと弾き出した。 シュッ パァンッ 「「「!?」」」 綺麗に相手チームのコートに入ったボールが床に弾けて跳ね返る。それと同時に沸き起こる周囲の歓声に、体が熱くなるのを感じる。 「ぅおぉぉおーーー!!!レイラ君のサーブすげぇ!!強烈!!!」 「え、待って待って常磐先輩って帰宅部だよな!?」 「かっこいいーーー!!!」 うんうん、この歓声が聞きたくてジャンプサーブを練習したんだよね、俺。 「あぁー!!!今見た!?レイラ君の腹チラ!!最っ高ーーー!!!」 「鷹うるさい!!!」

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