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悔しさをバネに俺は優勝をもぎ取りに行く

ピーーーッ 「試合終了!」 15分の試合時間はあっという間に過ぎ終了の笛がなる。 「・・・負けた」 2-Sが負けた。途中まではいい勝負をしていた。でもそれはあくまで途中までだった。 「ごめんレイラ頑張ってたのに俺らが早々にやられちゃったから・・・」 「俺なんか全然ボールも取れなかったし」 「パスも回せなかったな・・・」 どんどん数が減り、戦力が落ち、ボールが奪えなくなり、最後の方は戦えていたのはほぼ俺だけ。その俺も最後の方は疲れてミスも増え、なかなか敵の人数を減らせなかった。 「お疲れ」 「今年は俺達の勝ちだったね」 「・・・ぃ」 「「?」」 「悔しい!!負けた!!やだーーーっ!!」 悔しい。勝ちたかった。チームメイトに謝られ、嵐ちゃんと騎麻に声を掛けられ、感情がどっと溢れてくるのがわかる。 「やだって言われてもな・・・」 「レイラは負けず嫌いだからなぁ〜」 喚いても結果は変わらないけど、やっぱり負けたのは悔しい。こうなったら絶対バレーは優勝してやる。次の3-Sとの試合にドッジボールでの悔しさをぶつけよう。そうしよう。 その後のバレーの試合はとても気迫に満ち溢れていたと思う。3-Sとの試合は響ちゃんやのいちゃん、まみちゃんの見事なコンビネーションに苦戦もしたけど、どうにか勝利した。午後の試合も順調に準決勝、決勝と進んでいる。 ビュンッ 「ぅわっ」 「よっしゃぁぁあぁあー!!!」 俺の放ったスパイクを受けて鷹がよろめく。跳ね返ったボールがラインを越えて飛んでいきこちらに得点が入った。 「レ、レイラ君どうしたの・・・いつもと雰囲気違うよ!?」 「・・・誰だよレイラを荒れさせたやつ」 俺は今めちゃくちゃ燃えてるからね。気合いの入った俺にビビる鷹と呆れた様子の真斗。他のチームメイトは緊張のせいかみんな顔が強張っている。決勝戦は応援の観客の集まり方も今までの試合以上だから仕方ないかも。 決勝戦の相手は1-S。一年生とはいえ、決勝戦に残るだけあってなかなか良いチームワークだ。でも、勢いに乗っているのが俺だけではない2-Sは今、最強なのだ。 「迅!」 「いけ!雪成!!」 バシッ 「レイラ君パス!」 「任せて!!」 ビュンッ 続けざまに点が決まりどんどん相手を追い詰めていく。迅のトスが綺麗に上がり、ゆっきーの打点の高いスパイクが炸裂する。凌がレシーブを返すとそこに俺が走り込む。相手も真斗と鷹を中心に攻撃をしてくるけど、まだまだ甘いね。 「鷹のへなちょこのスパイクなんか余裕!!」 「え!?俺だけ!?」 「真斗はいい感じ、体幹がしっかりしてるね!」 「ありがと」 え、真斗に甘いのは騎麻だけじゃないよ?俺も真斗大好き。ほら、あのちょっとだけ口角を上げて笑う顔とかめちゃめちゃ可愛い。お兄ちゃんああいう顔にきゅんきゅんします。 「レイちゃん!あと、1点だよ!」 「ガンガン行くよー!」 ボールを高く放り投げ助走を付けてジャンプする。さぁ、これで決めてやろうじゃないか。 「狙いはレシーブ激しょぼの鷹で!!」 「レイラ君ひどい!!」 これも作戦でしょう!

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