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枕は固めが好きです

「真斗〜〜〜!一緒に寝よ〜」 「わん!」 夜になりティノを連れて真斗の部屋に乗り込んだ。寂しがり屋のレイラくんは一人で寝れないので、今日はお供のティノを連れて真斗の部屋に来てみた。 「良いけど、嵐君にバレたら俺怒られない?」 「嵐ちゃんには連絡済み〜」 嵐ちゃんはなかなかのヤキモチ焼きだから先に連絡しておいた。嵐ちゃん的には一緒に寝るなら十六弥くんとカレンちゃんがいいみたいだけど、今日は昨日アメリカからやってきた玲弥ちゃんと真紀くんと、亜津弥くんと華南ちゃんで久々に外に飲みに行っている。 カエラ達は夏休みに入るまであと3日あるからまだいない。騎麻は嵐ちゃん的には俺の従兄弟というより嵐ちゃんの親友というポジションなので、信用はしているけどちょっと複雑なんだって。 そこで俺に残った選択肢は真斗か、騎麻の妹で真斗のお姉ちゃんの風月、そしてアメリカから帰ってきた柚乃と双子。ぶっちゃけ俺的には柚乃か風月と寝たい。別に従姉妹でほとんど兄弟と同じ感覚の二人に下心は全くないけど。 でもここで問題が。昔女の子に手を出しまくっていたことを知っている騎麻お兄様からお許しが出なかったのだ。 「俺流石に家族に手出したりしないのに!!」 「騎麻兄もそれは分かってると思うけどね」 本気で疑われているわけじゃないのはわかるし、騎麻のシスコンがかなりの重症なのも知っているけど、ちょっと心外だ。 「真斗と一緒に寝るとかかなり久々だな」 「昔はたまにみんなで寝たりしてたよな」 「流石にみんなデカくなったから、一緒に寝るにはベッドが狭いだろうね」 中学生の和紗はまだだけど、真斗も今年中には180cm台に到達するだろう。常磐家はなかなか発育がいいから。俺も十六弥くんみたいに190cmを越えるくらいまで身長が伸びるのを期待してる。 ん〜それにしても、 「真斗、意外と筋肉ある・・・」 着痩せするタイプだからか見た目は細身の真斗だけど、抱きつくと予想より筋肉を感じて驚いた。確実に年末にみんなで温泉に入った時よりも育っている。けしからん。 「てか、レイラこの姿勢で寝るの?」 「うん?」 この姿勢というのは、真斗を抱き枕の様に抱えた姿勢のことだろうか。基本的に何かにしがみついて寝る癖があるので、俺的にはいつも通りの姿勢なんだけど。嵐ちゃんが相手だと腕枕のオプション付きだが、今日はちゃんと枕を使っている。 「ちょっとひっつき過ぎ」 「暑い?」 俺は寒がりだから夏でも空調が効いていれば別に引っ付いていても暑くはないけど、真斗には暑かったのだろうか。 「いや、俺レイラの顔タイプだからその距離はちょっとムラムラする」 「・・・まぢで」 まさかの発言。いや、真斗は昔から俺の顔が好きなのは知っていた。俺だって真斗の顔好きだし。というか常磐家の顔が好きだ。 「俺勃ったら抜かなきゃ気が済まないタイプだから」 「そういうお年頃だしね」 淡白そうに見えて真斗はなかなか正直な下半身をしているらしい。潔くて好きだよそういうとこ。 「抱きついててもいいけど、もし勃ったらレイラの横で抜くから」 「そん時は俺何かえっちなポーズとかやった方がいい?」 「そんなの出来るの?」 いや、やったことないけどさ。 それに多分寝ている最中なら横で真斗がそんなことをしていても起きない自信がある。一度寝たら朝まで寝るタイプだから。 結局少しだけ間を空けて、でも人肌は感じたいので軽くお腹辺りに手を回した状態で寝た。が、朝目が覚めるとがっつり真斗に抱きついていたのだけれど。 「どうだった?」 「ちょっとムラムラしたけど目開けたら目の前がティノのお尻だったから治まった」 どうやら枕元で丸くなって寝ていたティノのお尻が丁度真斗に向いていたらしい。 「ま、別に昨日の冗談だったし」 ・・・どうやら俺はからかわれていたらしい。

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