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腕相撲大会始めます

「ちょっと〜風邪ひくわよ」 いつの間にか風呂から上がったらしいカレンちゃん達が呆れた顔でこちらを見ている。暑いからかいつもより早かったな。 結局腕相撲で負けたら1枚づつ服を脱いで優勝した人の言うことを聞くという、全部のルールごちゃ混ぜの謎の遊びを始めた俺達。全裸になった時点で失格退場だ。と言っても、みんな薄着なので大体3敗すれば失格になる。 まず最初に最年少の和彩が3連敗により失格。その後に十六弥くん亜津弥くん嵐ちゃんと試合が続いた真斗が負け続け失格になり、続いてカエラも失格。 そして俺は現在和彩とカエラに勝ち、亜津弥くんに負けたので2勝1敗。まだ下半身の防御力は失っていない。次の対戦相手は麻紀くん。 「さあ来い」 ニコニコといつも通りのゆるい笑顔の麻紀くんだけど、その姿に一切の乱れはない。そう、麻紀くんは今のところ無敗なのだ。実はこんなに人畜無害、ゆるふわ代表、天然記念物的天然ぼけぼけの麻紀くんはゴリラ並の怪力の持ち主だったりする。 「Ready・・・Go!!」 審判をするカエラ(全裸)の掛け声でグッと手首を巻き込むように力を込める。自分が力を入れやすく、相手が力を入れにくい姿勢。が、麻紀くんの怪力により上手くそれを回避されてしまう。そのまま微動だにしない位置でお互い一歩も譲らない。血管がぷっくりと浮いた腕にどれだけ力を込めているかが周りからも想像出来る。 「いい勝負だな」 「まあね、でもそろそろかな」 勝負を見守る嵐ちゃんと騎麻(全裸)の声が耳に届くが言葉を返す余裕はない。全力を出し続ける腕も、握りしめた手も痛い。微動だにしなかった腕が徐々にぷるぷると震え出す。俺の腕が限界を訴えているのだ。 どんどんわかりやすく震え出した後、フッと力が抜け、その瞬間バンっと音を立てて腕がテーブルに叩きつけられた。 「い゛っ・・・・・・てぇーーー!!」 腕の痺れと叩きつけられた衝撃で痛さ倍増。うわ、握っていた手が真っ赤だ。何でこんなに怪力なんだ。医者にそこまでの腕力は必要ないと思うんだけど。 「はははっ、普段から玲弥を相手にしてたらいつの間にかかなり力がついたなぁ〜」 「麻紀、あなた失礼ね。どういう意味よそれ」 二敗目のため穿いていたハーフパンツを脱ぎ捨てる。残す防御は下着のみ。もう後はない。 「ねぇ、あなた達私達の存在見えてる?レディが6人もいるのよ?」 「せめてもう少し隠しなさい」 「・・・ほっときなさい。みんな馬鹿なんだから」 呆れた様子のカレンちゃん達大人と、完全スルーの由乃風月愛紗。しょうがないよ、男は何歳になっても少年の心を失わない馬鹿なことが好きな生き物なんだから。十六弥くんがよく言っている。 結局いつも通り十六弥くんが優勝した。俺もあの後嵐ちゃんに負け全裸にひん剥かれ、最後まで守りきったのは十六弥くん亜津弥くん嵐ちゃんの3人だけ。いつもなら麻紀くんかサハラが3位にくい込むのに、嵐ちゃんが初参加でその場を奪った。 「なかなかやるな」 「その筋肉は見掛け倒しじゃないようだな」 「どうも」 あ〜あ、身長が伸びて力も前より上がった分そろそろ俺達の下克上があるんじゃないかと思ったのに。まだまだ十六弥くんの無敗伝説は終わらなそうだ。 「で、優勝した俺からの命令だな」 「「「「「!!」」」」」 忘れていた。そういやそんなルールもあったんだった。 「えぇ〜十六弥くん、あんま変な命令やめてよ」 「そうだなー・・・」 にやにやとした表情で顎に手を当て考える十六弥くん。あぁ、これはダメだ。この顔の時にまともなことを言うはずがない。 「おっけい、決めたわ。俺からの命令は・・・」

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