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生徒会はいつも賑やか

「女装は別にありだと思う。今までも仮装障害物レースに含まれていたし。ま、俺はしたくないけど」 「ローションはなぁ、後片付けや着替えを考えるとなしだな」 「ん〜障害物の途中に設置するくらいなら出来るかな・・・。俺は遠慮したいけど」 アンケートを回しみんな一通り内容を確認してもらった。その上である程度内容をしぼり、残った内容を明後日の委員会で話し合おうと思う。 ただ、どの内容も素直に採用!と言えるものではない。なのでみんなの意見も大体語尾には “自分はやりたくないけど” という一文がつく。 「水かけ合戦って、何?濡れて色っぽくなった姿を見たいってこと?馬鹿だろ・・・」 「あ、ごめんその案出したの俺のクラスだった」 それだけではない。ローション相撲と、グラウンドの中央で愛を叫ぶというのも2-Sからの案だった。もっと言うならあれは凌の字だ。どうせまた凌の中の腐った心が萌えを求めての暴走だろう。全く、要とイチャイチャして萌えは自給自足してればいいのに。 「野球挙!俺は賛成っすよ!そしてレイラ君と戦いたい!脱がせたい!!」 「ばーか、俺が鷹に負かされるわけないだろ」 「わかんないですよ〜?でもレイラ君に脱がされるってシチュエーションも熱いんで当日まで体鍛えまくっときます!!」 相変わらず鷹はストレートにお馬鹿さんなんだから。残念ながら身長と体格では負けているけど、だからと言って勝負で負けるとは思わない。そして別に体を鍛えた所で俺はそれを見て喜ぶ趣味もない。 「俺を脱がせるのも俺が脱がせるのも嵐ちゃんだけなんだよ。嵐ちゃんを超えるえろさ身につけてから出直せ」 「え!えろさなら負けないっすよ!!俺の脳内では常に裸のレイラ君が真っ赤な顔で俺の事誘ってるんで!!」 「勝手に脳内に変な妄想常駐させんな!!」 なんでそんなに自信満々なんだよ。それはえろさというよりただの変態だ。と言うか、鷹の中では俺は常に全裸かよ。俺の裸は高いぞ。鷹が想像している20倍はいい体してるんだからな。 「あいつが弟だってことが誰にも知られたくない」 「無理だよ鴇と鷹、中身は置いといても顔そっくりだし」 「俺は鷹の発言も気になるけど、レイラ君のオープン過ぎる惚気も気になるわ〜」 「夏休み中も相変わらずの仲の良さを見せつけられたよ」 3年生達は俺と鷹のやり取りを傍観しつつアンケートの内容を眺める。この数ヶ月で俺達の騒がしさに完全に慣れてしまっている。素晴らしい適応力。 「ケイ先輩と渚はレイラと一緒に女装して欲しいっていう要望か・・・馬鹿だな」 「本当にね!どうせ俺達が身長低いから言ってるんだよ!!」 「・・・ムカつく」 俺と共に女装して欲しいという要望をアンケートに書かれたケイと渚はご立腹のよう。多分だけど身長が低いからではなく、普通に二人が可愛いからだと思うけど。今それを言うと俺が怒られそうだから黙っておこう。 ちなみに俺的には女装もいいけど二人にはバニーちゃんとかネコちゃんとかもふもふした衣装を着てほしい。絶対似合う。あおちゃんとかにお願いしたらめちゃくちゃ可愛い衣装を作ってくれると思うんだよね。 「真斗も女装でいいじゃん。キャンプの時似合ってたよ」 「絶対やだ」 「え!なになに真斗女装したん!写真ないの!?」 「見せるかボケ」 鷹が真斗の女装に興味津々で写真を強請るけど、真斗は全力で拒否。俺も騎麻も写真持ってるんだけど見せたら真斗に嫌われちゃいそうだから黙っておこう。冷たくあしらわれてもめげない鷹を真斗が思いっきり蹴り飛ばしている。うわ、痛そ。 「レイラ君って割りと女装とかコスプレ系に抵抗ないよね」 「まあ別に嫌じゃないからね。むしろちょっと楽しいし?」 にこにこ笑顔の響ちゃんはそういえば去年は仮装障害物レースでうさぎになっていた。バニーちゃんではなくうさぎの着ぐるみ。顔まですっぽり隠れていたので、やたら手足の長いスタイリッシュなうさぎが出来上がっていた。 「響ちゃんは王子様になって欲しいな。今でもほとんど王子様だけど」 「ふふ、レイラ君がお姫様してくれるなら考えるけど」 え!それでやってくれるなら俺お姫様くらいやっちゃうけど!ディ〇ニープリンセスもびっくりなくらい、完璧なお姫様になりきるよ? 「レイラ君!俺は俺は!?」 「鷹は響ちゃんが乗るための馬だよ」 「え!!!」

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