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赤組集合ー!

「今年の体育祭はクラスを二分割した上で赤組と白組の2チームで戦います」 今までは5チームあったチーム分けを今年は大幅に変えて2チームにしてみた。そしてクラス自体も半分に分割することでより、多くのクラスとの交流をはかる。 「なかなか思い切ったな」 「1チームの人数は多くて大変かもしれないけど、その分やれることも多くて楽しいと思うんだよね」 人数が増えればそれを一つにまとめるのは大変だ。でも、たくさんの人間がいればそれだけの考えがあるし、勢いだって強くなる。大変だからこそチームがまとまれば得るものも大きいと思うのだ。 チームは各クラスでくじ引きを行う。それで赤組と白組が決まれば次はチームごとに分かれて種目決め。流石に教室に入り切る人数ではないので赤組は第一講堂、白組は第二講堂を使う。 そしてくじを順番に引いていった結果、俺は赤組になった。 「要どうだった?」 「ん」 「赤!同じチームだ!」 「俺も俺も!俺も赤だった!」 俺と要と凌は赤組に決まった。嬉しい。クラス中でどちらの組になったかとわいわい盛り上がっている。チームが分かれた白組とは、この時点でクラスは同じでも敵同士だ。 「つか、半々にするなら球技大会の得点の持ち点も同じじゃねぇの?」 「総合優勝の得点はね!種目別の得点はその種目に出てた人で分散するからわからないよ」 バレーの優勝チームである2-Sはバレーに出ていた俺と凌は赤組だけど、残りの4人は残念ながら白組。なので、白組の持ち点は赤組の2倍になる。あとは他の種目の優勝チームのメンバーがどう分散したかで大きく持ち点が変わるのだ。 「15分後にそれぞれのチームのチーム会議始まるからさっさと移動しろよー」 赤組だから俺達は第一講堂か。教室の外では他のクラスの人間もぞろぞろと移動を始めている。 みんな自分がどちらのチームになったのか知り合いを見つけるたびに盛り上がっている。楽しそうでなにより。 第一講堂の中にはすでにかなりの人数が集まっている。ちらほらと見知った顔もいる。うん、これはなかなか・・・ 「すごいメンツ揃ってるな」 「あ!レイラ君も赤組〜!?最高〜!!凌ちん要っちもやほ〜〜〜」 ゆる〜い笑顔と共に声を掛けてきたのはよしの。中性的で儚げな見た目に反して中身はただの変態。と言ってもほとんど害のないタイプの変態だし、基本的にはノリが良くて面白い。 「レイラ君!!同じチームだなんて・・・頑張ろうね!!」 「はい、記念に一枚」 カメラを向けられついポーズ。不意打ちでも崩れた表情なんて見せないぜ。友達になって一年経つのにいまだに俺を相手に赤面する冬弥の頭をなでなで。余計に真っ赤になってしまった。その間も写真を撮り続けるあっきーはいつもの無表情より少しだけ口角が上がっている。どちらも相変わらずだ。 「俺のレイラコレクションがとうとうUSBメモリの6枚目に突入」 「それは体育祭でまた増えるな」 「勿論」 ちょっとドヤ顔なのが可愛い。あっきーが撮った写真を前に見たけど、なかなか撮るのが上手い。どうせなら俺だけじゃなくて写真部みたいに、全体を満遍なく撮ってくれたら思い出になるのに。それには興味がわからないらしい。 「レイラ、そろそろ始めよ」 「真斗!渚くんも赤組〜?頑張ろうね」 「がんばる」 入口で止まっていた俺達の元に来た真斗と渚くん。二人も赤組のようだ。ここにいないということは鷹は白組みたい。・・・きっと今頃隣の講堂で俺が赤組なことに気付いて騒いでいるのだろう。少し声が聞こえてきている。 「俺達も一緒だよ」 「今年は同じチームか」 さらに集まってきた響ちゃんとのいちゃん。生徒会は赤組が5人、白組は残りの4人。綺麗に分散したみたいだ。そして、 「こっちは騒がしくなるな」 「あっちも似たようなもんだろ」 「嵐ちゃん!!このくん!!」 嵐ちゃんとこのくんも赤組。昨年は一緒になれなかったメンバーの数々にテンションが上がる。 赤組最強なのでは?

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