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彼氏がイケメンすぎて
「じゃあ、またショーの時見に行くから!」
少し長めの休憩を終わり、後半の担当のために一度教室へと戻る。嵐ちゃん達もそろそろ準備があるらしく体育館へと向かっていった。
「レイラ!すぐに準備して!」
「はいは〜い」
それにしても、天羽学園の生徒だけの参加である今日でさえこんだけ人がいる。なのに明日は一般の人も来ると思うと少し気が重い。
「だって嵐ちゃんってお姉様ウケがやたらといいんだよね。嵐ちゃんが気にしなくてもお姉様は気にしまくりなんだよ。高身長色気垂れ流しイケメンの玉の輿よ?そりゃほっとかないよ」
「それ全部レイラにも当てはまるって知ってた?」
「俺の見た目はね、現実味が薄いんだよ。珍しさはあっても結婚したいとかのリアルには繋がらない」
「あ〜確かに性格を知らないとそうかもな」
中身を知っている人ならともかく、初見で俺の見た目しか知らない人間からすると俺は話しかけやすいタイプではないらしい。それは珍しいアルビノということや、優秀遺伝子の掛け合わせによる整った容姿が現実離れしているから。これまでこの見た目でちやほやされてきたので自分の見た目が人より良いのは十分自覚している。でも、だからこそ気軽には声をかけたり出来る気安さはない。
「嵐ちゃんはね、美形に見慣れた俺からしてもイケメンなの!かっこいいの!気軽にほいほい話しかけれる雰囲気では無いけど、それでも挑戦してみたくなる危ない魅力があるの!」
だから俺は明日が心配!!
「大丈夫だろ。嵐太郎君レイラにしか興味ないし」
「ねぇ」
「まあね。嵐ちゃん俺のこと大好きだし」
「ちょっと」
わかってても嵐ちゃんの周りに知らない女の子が群がっている姿は面白くない。あと、その群がった女の子達に嵐ちゃんが困らされるのも嫌だ。
「もぉ!レイラ君も真斗も俺の存在無視して盛り上がらないでよ!!あとレイラ君、ちょっとは接客して!?俺のこともてなして!?」
先程から会話の途中に呼びかけられてはいたが、スルーし続けたら鷹がキレた。なに?カルシウム不足?いや、こんだけ無駄に育ってるんだからカルシウムは足りてるか。
「レイラ君〜〜〜〜っ」
「はいはいごめんって」
会話に入れて貰えず拗ねたような顔の鷹に縋りつかられ、仕方なくよしよしと頭を撫でてやれば一気に満面の笑みへと変わる。なんだろう、ちょっとそのわかりやすい反応が人懐っこいゴールデンレトリバーでも見ているようだ。ブンブンと振り回される尻尾が見える。ティノ元気かな〜。
鷹の頭を一頻り撫で回し髪の毛がぐしゃぐしゃになった所で手を離す。もっともっととじゃれついてくるのを無理矢理引き剥がす。
「とりあえず3-Sのファッションショーは生徒会長特権で最前列確保したから一緒に見に行こうね」
「・・・いいけど」
「俺も行きまーす!!」
渚くんも誘ってみんなで見に行こう。
「そう言えば渚くんは今なにしてんの?」
渚くんも真斗達と同じクラス。確か・・・お化け屋敷。
そうだった真斗達のクラスはお化け屋敷だった。しかもなかなか本格的でちょっとした話題になっているらしい。そりゃ無類のホラー好きの鷹がいるもんね。どうせお化け屋敷やろうって言ったのも鷹なんじゃないの?あ〜やだやだ。
批判する気持ちを込めて鷹をジトーっと睨む。
「渚は今当番中だから教室で猫娘になってるよ」
「猫娘?え、なにそれ可愛い」
猫娘ってなに?猫を連れてる女の子?それとも猫耳つけた女の子?何かわからないけど渚くんがやるなら可愛いに違いない。
「写真あるよ」
「!!!」
に゛ゃーーーッ!!なにこれ!?めちゃくちゃ血だらけ何ですけどぉ!?!?!?可愛くないぃぃいっ!!!!
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