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常磐家 in Hawaii

眩しい陽射しに青い空、白い砂浜。 「・・・・・・うん、暑い」 冬休みに入り、予定通り家族旅行のハワイにやって来た。現地集合だったので日本からは亜津弥くん一家とカエラとサハラと一緒に、玲弥ちゃん一家はアメリカから、十六弥くんとカレンちゃんはイギリスからの集合。 ちなみに十六弥くんとカレンちゃんは3日程先に前乗りしていたらしく、既にハワイを満喫仕切ったようにこんがり日焼けをしている。 「レイラ」 そのこんがりと日焼けした十六弥くんに全身を上から下までじっくりと観察される。そして、 「・・・嵐太郎やべぇな」 「・・・えへへ」 案の定隠すことの出来なかったキスマークだらけの身体。ほんのり薄くはなったとはいえ、元の肌の白さのせいでまだまだ目立つ。今回は歯型が付いていないだけマシなんだけどなーとは流石言う勇気はなく、不自然な笑顔で誤魔化した。 文化祭の時はシャツのボタンを上まで留めてどうにか隠したが、かなり首の上の方まで付けられた印に今回は隠すことを諦めた。別に見られて困ることもない。ただ、ちょっと周囲の視線が痛いだけ。うん。ビシビシと視線が刺さる。 まずは腹ごしらえということで十六弥くんお気に入りの店で昼食をとり、近くのショッピングモールで買い物。一度宿泊予定の別荘に戻り一息ついて、夜はファイヤーショーを見ながらのディナー。 昼間のプールは陽射しがきついので夜に子供だけでナイトプール。大人はプールサイドのテラスで宴会。 いつも通りの常磐家のバカンス風景だ。 「あ〜〜〜一日目なのに疲れたぁ」 「移動も長かったからな」 「陽射しも強いし」 久々に家族勢揃いで一日中遊び倒した。未だ盛り上がり続けている大人達をおいて部屋に戻った子供達。毎度の事ながら恐ろしい体力だ。 今回はカエラとサハラと久々に同じ部屋。三人でキングサイズのベットに転がりながら天井を眺める。シャワーを浴びてまだ濡れている髪の毛を隣のカエラにかき上げるように撫でられ、 「可愛い〜な〜」 「でしょ〜」 「サハラも可愛いぞ〜」 「レイラには負けるかな」 つい夏休みぶりの再会にいちゃいちゃしてしまう。大好きなお兄ちゃん二人に可愛い可愛いと言われて上機嫌の俺。サイズ的に可愛くなくなった今でも、変わらず俺のことが可愛くて仕方ないらしい。大好きかこの野郎。俺もカエラとサハラのこと大好き。 「でもこれはダメ。レイくんえっちすぎ」 「お兄ちゃんは心配だぞ」 「ごめ〜ん」 首元のキスマークを指でぐりぐりと押されながら呆れた顔をされた。ごめんねお兄ちゃん。へらへら笑う俺に二人がお仕置といっての擽り攻撃。 一瞬で降参した俺は息も絶え絶えにベットに沈みこんだ。2対1はダメ。十六弥くんと違ってすぐに解放してくれることには二人の優しさを感じるけど。 その後は暫く他愛もない話で盛り上がったあと、疲れていたこともあり日付けが変わる頃には三人とも寝落ちしてしまった。久々の両サイドからの二人の温もりに朝になって、十六弥くんに起こされるまでぐっすり。いつもはかなり早起きのサハラまで寝坊していたので珍しい。 「おら、いつまで寝てんだよ」 昨晩も大人達は遅くまで宴会だったはずなのに何故だか朝から元気な十六弥くん。普段から6時起きという早起きマスター。 「ん゛〜・・・、十六弥くん、早起き過ぎ・・・おじいちゃんみたい、、」 「あ゛ぁ?」 その後怒った十六弥くんにベットから蹴り落とされた。ひどい。

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