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第7話 ドS体育教師 ※R-18 part2
どれだけやっても何も感じない。
ただ有るのは恐怖と困惑だけである。
「全然、反応しねぇな。」
足で思い切り踏まれる。
怖いし痛い・・・。
「そんな産まれたてのバンビみたいに怯えなくてもいだろう?」
「こんな事、いきなりさせられて怯えるなと言う方がおかしいです。」
「俺は人を本気で愛した事が無いんで優しくなんて出来ないんですよ。」
「だったら・・・やめてくださいっ。」
「それは出来ないなぁ・・・。
だって、興味もっちゃんたんだもん。」
ジリジリと近寄ってくる彼に俺は身動きすら取れなかった。
怖くて堪らない。
お願いです・・・誰か助けて・・・。
そう、心から願った。
扉のノブがガチャガチャと鳴り京極の声が扉の外から聞こえてくる。
「そこに居るんですね天魔はん。
ここ、開けてください。」
「ちっ・・・あの野郎。」
彼が少しだけはなれたのを見計らって俺は服を着て扉へと走る。
そして、鍵に手を伸ばす。
後ろから腕を掴まれ引き戻されそうになりながらも何とか扉を開ける。
「やっぱり此処に居はったんどすね。
兄さん、天魔はんに手出したらうちが許しまへん。」
「おぉ、怖い怖い。
お前のじゃないんだから良いだろ?
女には飽きて来たんだ。
丁度、其処に天魔先生が居たってだけだ。」
「兄さんにはどこぞのビッチがお似合いやわ。
うちの天魔はんに手出したらうちや他に天魔はん狙ってる男がゆるしまへんで。」
「俺は欲しい物は絶対に手に入れる。
天魔先生、コイツに飽きたら俺においで・・・存分にイジメてやるからね。」
そう耳元で囁いて出ていく。
まさか、京極と尾須崎が兄弟だったとは。
でも、どうして名字が違うのだろうか。
「どうして名字が違うのか気になりますか?
兄は家ではおすざきでは無く長谷部と名乗っているんです。
理由はきっと大手企業の息子なのに跡を継がなかったのを気にしているのだと思いますよ。
兄のあの問題の性格も好きな人を一人に絞れないのも自分を戒めているんだと思います。」
彼はしみじみそう語った。
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