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第13話
残念だね、と言い残し、男は海から離れた。
背後から、その気配も消えた。
「はぁ、はぁ。……はぁッ」
電車が海の降りる駅についても、身体が言うことを聞かなかった。
ぐったりとドアにもたれて、荒い息を吐いていた。
(ダメ……、完全に欲情しちゃった……)
駅を乗り過ごしたついでに、海は永亮の家を訪ねた。
この身体の火照りを鎮めることができるのは、彼だけだ。
今日こそ、エッチしてもらおう。
そして、痴漢のことを相談するんだ。
そう考えながら、植え込みの陰で永亮を待った。
「永亮!」
彼の姿はまだ遠いのに、海は思わず声を上げていた。
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