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第14話

「あれっ? 何でもう知ってるの?」  それが、海を見た永亮の第一声だった。  駆け足で近づき、勢い込んで話す、永亮。 「お祝い、言いに来てくれたんだろ」 「え? え、と。サッカー?」 「今度の紅白戦、スタメンに選ばれたんだ。活躍すれば、一軍だ!」 「おめでとう、永亮!」  やったやった、と抱き合って喜んだ。 「もう遅いけど、上がって行けよ」 「うん……。だけど、今日はいいよ」  どうして、といった表情の永亮を見るのが悲しい海だった。  明るくて真っ直ぐで、健全な永亮。  ごめんね。  僕、さっきまで痴漢に身体弄られて欲情してたんだ。

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