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第16話
「ね、永亮。今日、一緒に帰ろう」
「え?」
意外そうな、永亮の返事。
そしてその後は、スポーツバッグを手にしながらの言葉となった。
「今、一番大事な時期だ、って解ってるよね? 何で?」
「永亮……」
「それに、また女子の制服なんか着て。痴漢狩りなんか、もうやめろよ」
永亮の、バカ。
自分のことばっかりで。
宇美や僕のことなんか、全然心配してくれないで。
「もう、いいよ!」
永亮のバカバカバカバカバカ!!!
頭をカンカンに沸騰させて電車に乗った海だったが、いつもの時刻に近づくにつれ心は冷えて来た。
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