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第十話 空白の年月 雪夜目線

僕が綾女と離れて留学してから もう数ヶ月は経った。 アメリカの暮らしにも慣れ始めて、 留学先で友達も増えて綾女との事も 思い出に出来る気がする。 今は教員の研修という名目でアメリカの 幼稚園で子供達のお世話をしている。 僕の暮らしは穏やかにでも着実に進んでいた。 僕が研修している幼稚園は日本ブームのせいか 日本の名前がつけられる子供も多い そして他国の子供達勿論その中には 日本の子も居る。 みんな素直で可愛い子達だ。 その中でも、日本の両親を持つコタロー君は 僕に懐いてくれてて、僕もコタロー君が 日本語を話すからかよく一緒に遊んでいる。 コタロー君は両親共に日本人だがクォーター らしくコタロー君は両親のどちらにもない 金の髪色で目も澄んだ青い色をしていた。 「ユキヤ!一緒に遊ぼー!」 今も、僕に向かって走ってくるコタロー君を 受けとめて抱っこしている。 「コタロー君、走っちゃ危ないよ?」 軽く注意すると少ししょんぼりなるのが 可愛くてつい甘やかしてしまいそうになる。 「ごめんなさーい…… あのね!ユキヤ!僕ねユキヤが好きなの! だから特別にユキヤを僕の番にしてあげる!」 そう、キラキラした目で見てくるコタロー君に僕はこんな小さな子供が番を知ってる事に ついて驚いて正しい回答が見つからなかった。 「うーん……、 コタロー君は難しい言葉知ってるね? でもそれはコタロー君が僕より大きくなっても まだ、僕の事好きだったら言ってね?」 そう言うとコタロー君は目をウルウルさせて 僕を見上げた。 「なんで!今すぐはダメなの? 早くしないとユキヤ他の人に取られちゃう!」 子供の無邪気な言葉でこんなにも癒される もういっそこっちで就職しようか とさえ考えてしまう。 「大丈夫だよ!コタロー君が大きくなる頃には 僕以上に素敵な人と出会えるからね?」 そう言うとコタロー君僕の腕の中で暴れだした。 「いやだ!、僕はユキヤがいい!ユキヤは 真っ白でお姫様見たいにキレーで優しいもん!」 そう言った後、コタロー君は頬を真っ赤に染め僕の頬にキスをして腕の中から飛び降りた、 僕はと言うと情けないが びっくりして固まってしまった。 その一部始終を、他の研修生に見られて 笑いながらよかったなと、 言われてしまい我に返って、 どっと疲れが押し寄せてきた。

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