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第四話 : 香り
綾女に無理やり連れてこられたのは高級感
漂うホテルだった。
中はシックな感じでまとめられていてフロントや飾ってあるもの全て木目調のものでオシャレな雰囲気だった。
綾女は僕の手を引っ張りながら歩みを進めると
フロントには行かずにそのまま部屋の方へと歩みを進めた。
「ねぇ、綾女?フ、フロントで手続きしなくてもいいの?怒られちゃうよ?……」
声をかけるも綾女は余裕のなさそうな顔で僕の腕を引っ張り歩き続ける
すると、廊下にホテルのスタッフらしき人達が集まって話をしていた。
スタフの一人が綾女に気がつくと慌てた様子で
佇まいを直し綺麗にぺこりと一礼する
他のスタッフも引き続き
綺麗な所作で一礼した。
綾女はその様子が目に入ってないのか近くの
エレベーターに一直線で向かった。
僕は、不思議な面持ちで頭を下げ会釈した。
綾女は到着したエレベーターに僕を先に通すと後から自分も乗り僕の横にピタリとくっつき
腰に手を回してきた。
「あ、綾女!他のお客さんに見られたら……」
僕は言葉を発しようとするが綾女はそれを唇で遮った。
「んッ、ふぅッン、ぁ……」
僕は急なキスにびっくりしていると、
綾女は素知らぬふりで更に舌を侵入させ
深く絡めさせた。
クチュ、ピチャ、チュル
エレベーター内では僕と綾女の唾液が交わる
卑猥な水音が響き渡り自分の耳を塞ぎたくなった。
エレベーターが綾女の押した階で止まると綾女はキスを辞め再び僕の手を引いた。
僕は快楽でグズグズになった足腰をなんとか
動かし綾女について行った。
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