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第5-1話知るほどに稀有な生態

   ◇ ◇ ◇  一緒に昼メシを食べるようになってから、ほんの少しだけ圭次郎の態度が丸くなった。  朝の登校時に家から出るタイミングが被ると、特に示し合わせた訳でもなく自然と俺の隣に並んで、学校までそのまま行くようになった。圭次郎からはほぼ話しかけず、無言に耐えかねて俺が話題を振ったら、ちょっとだけ話す程度。  他のヤツなら苦痛でしかないけれど、コイツを観察することが今一番アツくて面白い俺にとっては楽しみでしかなかった。  学校でもブレない王子様キャラに、授業中の奇行。  そして夜になれば何度も庭をぼんやりと光らせた中、百谷兄弟勢ぞろいで見事なコスプレをしながら寸劇の練習――内容が気になって、一度こっそり外に出て庭の草木の隙間から覗きながら盗み聞きをしたら、 『なぜまだ見つからぬ?! ひとつの国をすべて探す訳でもないというのに……っ』  苛立たしそうに声を荒げる圭次郎へ、芦太郎先生と宗三郎先生が跪いて口々に『申し訳ありません!』『手は尽くしているのですが……』と謝り倒すという修羅場だった。そして、 『……まあ俺の精霊も見つけられずに嘆いているほどだからな。それだけアイツは厄介だ……これからも全力で探せ、アシュナム、ソーア』 『『仰せのままに、ケイロ様』』

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