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第11-1話事情は分かったから離縁して

「お前も薄々は察していると思うが、俺たちはこの世界の者ではない。こことは違う世界から来た……我がウォルディア王国の秘宝を盗み、この世界へ逃げてきた裏切者を見つけにな」 「裏切り者……?」 「王宮の近衛隊長マイラット……優秀で忠実な男だと思っていたんだがな、半年ほど前に宝物庫の最深部で厳重に保管していた百彩の輝石を盗み出し姿を消した。そして奴の行方を探っていたら、お前が通う高校に紛れ込んでいることがようやく分かって、俺たちはここへ来たんだ」  異世界からこの広い世界の中で、よく俺の高校にいるってところまで絞り込めたなあ。  圭次郎……じゃなくて、ケイロたちの世界や国がどんな所なのかさっぱり見えてこないが、違う世界を行き来できて、詳細に調べることができるほど凄いし優秀なんだということは分かる。  だからこそ俺は首を傾げてしまう。 「そこまで分かったんなら、すぐに見つかりそうな気がするんだけど。半年前ぐらいに転校なり転職なりしてきた人間がいないか調べたら、一発で分かりそうな……」 「厄介なことに奴はこの世界の人間と同化し、何食わぬ顔で生活している……違う世界のものには魔法の影響力が激減してしまうせいで、異なる世界から索敵の魔法を使ってもあまり効かない。だからわざわざここまで足を運び、直接捜しに来たという訳だ」 「ふーん……つまりソイツを見つけ出してお宝を取り返せば、もうここには用なしってことで帰っちゃうのか?」 「そういうことだな。もちろんお前も連れて帰るからな、太智」  唐突に俺のことを言われて、思わず「はぁ?!」と大きな声を上げてしまった。 「どうして俺までお前の世界へ行かなくちゃならないんだよ?!」 「俺の伴侶になったんだぞ? 連れて行くに決まっているだろうが。式は国を挙げて行われるから準備に時間はかかってしまうが、その間に徹底して王族のしきたりや我が世界や国のこと、礼儀作法など教養全般を学んでもらう」

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