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第24-1話変人回避なら悪ふざけ上等
来た……! いつかあるんじゃないかって思ってた、変人確定案件!
みんなが見ている中で襲撃されて、必死に戦うほどに変人扱いされていく……なんて理不尽なんだ。しかも苦戦してるっぽい。
「アイツ……っ!」
思わず俺は美術室を飛び出し、勢いよく階段を下りていく。
魔法も何も使えない俺が行っても戦力にはならないかもしれない。
でも、こっちの人間でありながら、ケイロたちの現状を見られる俺だからこそできることもある。
一階に着くと俺は廊下の窓を開け、そこからジャンプして中庭へと移動した。
さっきまで使っていた箒の柄を、しっかりと握り締めながら――。
「この……覚悟しやがれ……!」
俺は両手で箒を持ち、思いっきりバットを振り抜くようにして漆黒の獣たちにブチ当てる。てっきり効かないと思ったが、振り抜く間際に箒にが光り、キャウン、と案外と可愛い声を出しながらダメージを受けていた。どうやらケイロが何かしたらしい。
そして、その勢いのままケイロに箒を迫らせる。もちろん本気で当てる気はない。剣とかち合わさる所で寸止めし、小声で話しかける。
「いったい何があった? スゲー目立ってるぞ」
「校舎の外を調べていたら襲われた、シャドウウルフ五十匹……数が多すぎて戦闘が長引いてしまった」
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