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第27-1話●治療のお礼の治療はやめろ

   ◇ ◇ ◇  ケイロを引き連れて保健室へ行くと、既に事態を知っていたのかソーヤさんが消毒液とガーゼを用意して待ち構えていた。 「お待ちしていました殿下! 早くベッドへ――」 「ソーヤ、お前は邪魔だから出て行け。アシュナムと合流して、運動部の部室裏と用務員の控室を調べに行って来い」  本気で心配する臣下を、ハエでも追い出すかのようにケイロが手で払う仕草をする。  おいおい、いくらなんでもその態度はないだろ……と俺が頭を痛めていると、ソーヤはハッと息を引いてから俺とケイロを交互に見た。そして気まずそうに目を逸らした。 「わ、分かりました……あの、部屋の鍵は……」 「もちろん閉めていけ。誰も入れさせるな」  一瞬、俺を気の毒そうな眼差しで見やってから、ソーヤさんは持っていた手当てセットをデスクに置き、「……失礼します」と保健室から出て行く。  そ、そんなあっさりと……あの、コイツと二人きりって、嫌な予感しかしないんですけど……。  俺が呆然となって突っ立っていると、ケイロは自分からパイプ脚のベッドへ腰かけ、上の服を脱いだ。 「太智、早く手当てしてくれ」 「あ、ああ……ん? お前にこっちの薬って効くのか? ってか魔法で回復しないのかよ?」 「それは俺たちの世界から持ってきた物だから普通に効く。あと回復魔法は魔力の消費が激しいから、なるべく使いたくないんだ。こんな打ち身程度に使うなどもったいない」

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