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第31-1話プライバシー皆無の現状
夜、自室のベッドの上で俺はあぐらをかき、腕を組んで唸っていた。
「違和感……うーん、マジで思い浮かばないな……」
できる限りの友人知人を思い出してみるが、誰も引っかかってこない。
あと、ケイロたちが引っ越して来た当初はテスト勉強に気が向いていたし、隣の庭が光っているのを見た時からは、百谷家ウォッチングに集中していた。だからここ最近はいつも以上に周囲を見ていなかった。
もう無理、諦めよう……と中断してもいいが、そんな気になれない。
どうしてもケイロの腹部が頭を過って放置できなかった。
今回はでっかいミミズ腫れで済んだけど、これからそれ以上のケガを負う可能性は充分にある。アイツが傷つくかもしれないと思うと、胸の奥がソワソワして落ち着かない。
……なんで俺、アイツの心配してんだよ。
嫁化が進んだ……? いや、この心配はむしろオカンだ。嫁化してるなんて認めねぇ――。
本来の内容から頭の中が脱線してきた頃、
「まだ考えていたのか。案外と真面目だな」
突然真横からケイロの声が聞こえてくると同時に、ぷにっと頬を指で突かれた。
「ひゃぁぁ……ッ……こ、こら、急にこっち来るなぁ! あと触んな……っ!」
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