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第33-2話上達し過ぎたケイロ

 ……本当に女房やってるなんて知ったら、どんな目で見られるんだろうなあ。  心の中で遠い目をしながら、俺は好き勝手言うヤツらの話を半笑いで聞くことしかできなかった。  球技大会を前日に控えた日の放課後。  俺とケイロはバスケの最後の仕上げをするため、本格的に部活動が始まる前に体育館を利用しようと向かった。  その途中、図書室の前を通りかかった際、そこから出てきた悠と鉢合わせした。 「あ、太智、百谷君。今から練習しに行くの?」 「そうだ。明日が本番だからな。優勝できるよう特訓してくる」  親指を立てながら俺が答えると、悠は小さく笑う。 「実は百谷君、バスケ部より上手いらしいね! 噂で聞いちゃったよ。優勝、楽しみにしてるから」  言いながら悠は俺たちに手を振り、ここから去っていく。  悠の背を見送ってから歩き始めようとした時、ケイロが図書館を凝視するばかりで歩き出そうとはしなかった。 「どうした百谷?」 「……ここが気になる。少し立ち寄らせてくれ」  そう言うなりケイロは足先を図書室へ向け、中へ入ってしまう。  こうなったケイロを止めることはできない。時間が気になるところだったが、仕方ないと割り切って俺もケイロの後に続いた。

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