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第36-1話まさかの火の玉特訓?!

 体育館へ行くと、ケイロは自分から進んでバスケットボールを取りに行き、ゴール下で軽くドリブルをし始めた。 「太智、肩慣らしにパスの練習に付き合え……可能なら俺の真似をしろ」 「……? ああいいぞ。さあボールくれよ」  俺の真似だなんて、随分と自信あるんだな。  やけにケイロの鼻高な言動が引っかかったが、俺は何も考えずに胸元で両手を構える。  ビュッ、とケイロからボールが素早く投げられる――間近に迫るボールの周りに、火の揺らめきが見えた。 「なぁ……っ?!」  思わず俺は身を翻してボールを避ける。  ダン、ダダン……と体育館の端へ跳ねていってしまったボールを追いかけて拾おうとすれば、まだ薄っすらと火が点いていて、俺は慌ててドリブルしまくって鎮火した。 「こぉぉぉら! 百谷ぁ……っ!!」  元に戻ったボールを抱えて、俺はケイロの元まで疾走して迫る。感情任せに怒鳴りたいところだが、どうにか小声に抑えつつ全力で訴える。 「お前なぁ……火の魔法を使うなよっ! 他のヤツらはともかく、俺は火傷しちゃうだろ?!」 「済まない、手元が狂った。本来は太智に届く手前で火が消える予定だったんだが……お前も同じようにやってみてくれ」 「ついさっき初めて精霊出せた人間にやらせようとするな! とんだスパルタ野郎だな……」 「……? 俺はそうやって叩き込まれたんだが……」

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