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第39-1話いざ球技大会!
◇ ◇ ◇
こうして無事に迎えた球技大会は、一回戦から盛り上がりを見せた。
ただの校内イベントと誰もが考えていたが、ケイロだけは違った。
「いいか、俺にボールを回してくれたなら必ず得点する。このチームの負けは許さないからな」
バスケのチームは五人。控え三人。ケイロの事情や正体を知らないクラスメートは、あからさまに動揺を見せた。
そりゃあ今まで人を寄せ付けないクールで謎が多い転校生だと思ってたのに、そんなことを言い出すとは想像しなかっただろう。戸惑うみんなに「百谷、実はバスケ上手いんだよ」と俺がフォローして、どうにかチームを機能させることができた。
開始直前、俺がセンターより右側の位置へつこうとする際、ケイロがポツリと呟く声を聞いた。
「開始はアレしかないな……」
この一言で何をしでかすか分かってしまう自分に頭痛を覚えつつ、俺は軽く腰を落として準備する。
ピピィ――ッ!
笛が鳴ると同時に審判がボールを投げ、ケイロと相手チームの選手がジャンプする。
ケイロの高身長に長い手足が真っすぐに伸ばされ、鮮やかにボールをものにする。そして顔を向けず、素早く俺へパスした。
ドリブルして敵陣へ切り込めば、一斉に敵チームが集まってくる。うん、全員か。ダンゴ虫になる前にさっさとパスするに限る。
さっ、と辺りを見れば、群がり出した敵チームの後ろへケイロが回り込もうとしている姿に気づく。
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