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第48-1話悠の事情

『悠、今大丈夫か?』  メッセージを打ち込んで送信すると、一分もしない内に返信がきた。 『大丈夫。昨日、ケガとかなかった?』 『ケガはないけれど、今スゲー筋肉痛。ケイロに無理された』 『大変だよね……だって逆らったら何もしてくれなくなって、自爆しちゃうもんね』  悠も俺と同じような状態なのに、その中身はきっと雲泥の差がある。  好きな相手でも延々と抱かれ続けるの大変なのに、そうじゃない相手だったら苦痛でしかないよな。  今までの苦しみを想像して、俺はスマホを見つめながら顔をしかめる。  そして悠を巻き込んだヤツに怒りを覚えながら、新たなメッセージを送った。 『どうしてマイラットってヤツと悠が結婚することになったんだ?』 『マイラット……そっか、あの人の本名、そんな名前なんだ』 『え? 知らないのか?』 『教えてくれないんだ。仮初めの結婚だから、いつか別れることになる者の名前など知らなくてもいいって……だから、いつもは彼の宿主になっている人の名前で呼んでる』 『宿主って誰だ?』 『それは言えない。分かったら王子に教えるんだろ? そうしたら彼も、宿主も殺される……ごめん、それだけは嫌なんだ』  悠のメッセージにドキリとする。  ケイロたちは裏切り者は許さないと言っているし、マイラットがこっちの人間の同化したことも説明は受けた。  裏切り者を捕らえた後のことを考えていなかったから、その末路を聞いて今さら背筋がゾッとした。

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