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第48-2話悠の事情

『ケイロたちは百彩の輝石っていうのを取り戻しに来たんだ。だからそれを返したら、殺されるのは避けられるかもしれないぞ?』 『どうだろう……その石がないと同化ができないって言ってたから、返せないと思う。同化していないと宿主が死んじゃうから』 『ええ?!』 『元は瀕死だったその人へ彼が乗り移ったんだ。僕はその現場へ居合わせてしまって……そして、どうしても百彩の輝石を守りたいから助けて欲しい。協力してくれたなら、時間はかかるけれど宿主を救ってくれると言われて……だから彼と仮初めの婚約を交わして、彼の世界のものを見られるようになったんだ』  百彩の輝石を守りたいって、ただ盗んだワケじゃないのか?  何か事情がありそうな気がして、俺は悠に尋ねてみる。 『どうして秘宝の石を盗んだんだ?』 『教えてもらってないんだ。もし王子たちに捕まれば、簡単に口を割らされてしまうからって……ただ、あの国にこの石はないほうがいいんだって言ってた』  う……意味が分からねぇ。そもそも俺、秘宝のこともケイロの世界のことも、よく知らないんだよなあ。  事情を知らない者同士が話しても、どうしようもないなあ……と思っていると、悠が話題を切り替えてきた。 『ひとつ聞きたいんだけど、太智も王子からアレされてるの?』

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