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第52-2話これでも意志あるのか?

 何もあげられないのは残念だなあと思っていたら、子犬がまとわりつくように光球が俺の周りをクルクルと回る。どうやら俺の気持ちは嬉しかったらしい。  思った以上に意思の疎通が図れるぞ?! ひょっとして……。  ちょっと希望が見えた気がして、俺は光球に尋ねてみた。 「今、俺たち百彩の輝石っていうのを探しているんだけど、どこにあるか知ってるか?」  光はまったく瞬かない。でもオロオロするように光球が左右にフラついて、なんだか動揺しているように見えた。 「ん……? 実は知ってるけど教えられない?」  ほんの一瞬、短く光が点滅する。まるで何かに怯えて言うのをためらっているようで、なんだかカツアゲする不良の気分になってくる。  粘るのもよくない気がして、俺は怖がらせないよう笑ってみせた。 「じゃあ輝石持ってるヤツに伝言してくれるか? 詳しい事情を手紙でもメールでもアプリでも良いから教えてくれって」  今度はしっかりと強く光ってくれた。意気込みを感じるが、言葉も喋れないのにどうやって伝えるんだろう? と疑問に思ったが、やる気に水を差さないようツッコまないことにした。

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