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第58-1話●裏切るワケではないけれど
大きな快感の波に身を震わせている俺の腰を掴み、ケイロが容赦なく突き上げてくる。
「はぁッ、ァ、ま、まって……ッ、ちょ、落ち着いてからぁ……ッ」
「散々人を煽っておいて、それはないだろ? 体力は有り余っているようだし、今日は手加減せずに抱ける」
「手、加減……? ぁ……お、前……っ、あれで、今まで加減してた……っ?!」
「次の日に足腰立たなくなるほどではなかっただろ?」
「ギリギリだぁ……ばか……ッ、根性出して、意地で行ってた……ぁ、ンン――……ッ」
また奥が大きく脈打って、俺は腰を浮かしそうになる。
グッ、と強くケイロに押さえつけられて、強すぎる快感から逃れられず、目の前が激しく点滅した。
分かったけどやっぱりキツい……気持ち良いけど、自分が自分じゃなくなっていくこの感覚が辛い。でも今日だけは我慢するしかない。
俺はしばらく呼吸できずに身を強張らせていたが、すぐに浅い息ながら空気を取り込み、体を揺らし始める。
「もう動くのか? 本当に今日は積極的だな」
「だって……まだ、ケイロ、イってない……ッ……俺ばっか、ダメだろぉ……っ」
俺の狙いはケイロをいっぱいイかせて、体力を消耗させて深い眠りにつかせること。
――そうでもしないと、夜に家を抜け出して密会なんてさせてくれないだろうから。
ヒクヒクと俺の意志を無視して、中でケイロのものを勝手に締め付ける。それを利用して、俺自身でも意図的に中を閉めてケイロを気持ちさせようと頑張っていく。
そんな俺の行動がいじらしく見えたのか、ケイロの目が色めき立っていくのが分かった。
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