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第60-1話明かされる事情

「君から接触を望んでくれて非常にありがたい。私の主がぜひ会いたいと望んでいたんだ」 「主……?」 「今ここにいらっしゃる。少し待って欲しい」  そう言うなりマイラットはコートのポケットから何かを取り出す。  乳白色に赤い糸の縫い目――俺にとってものすごく見慣れたものだった。 「や、野球ボール?!」 「この中に隠れて頂いていたんだよ。この世界のものは、私の世界の力を受けにくいからね」  ボールを上下に掴んでマイラットが捻れば、真っ二つに割れる。  次の瞬間、把握し切れない数の色のきらめきが現れて、思わず俺と悠は目を腕で庇っていた。  目を細めてどうにかその正体を確かめると、ピンポン玉ほどの丸い石が延々と輝きを放っていた。 「うわっ、まぶし……っ……宝、石か?」 『会いたかったぞ、坂宮太智……我は百彩の輝石と呼ばれるもの。遥か昔に精霊王様の力を受け、数多の精霊を濃縮して作られたのだ』 「石がしゃべった!」  『我は石の形をしておるだけで実は生きておる。ほら、手を出してみろ』  言われるままに手を差し出せば、マイラットが百彩の輝石を載せてきた。 「うわっ、なんか温かいし脈打ってる! なんだこれ?! 悠、触ってみろよ」 「え……う、うん……ホントだ、不思議……」

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