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第63-2話その場を治めるために

 少なくとも精霊は俺の言うこと聞いてくれるんじゃないのかよ?!  困惑と焦りでオロオロしていると、輝石が『ああ、すまんな』と謝ってきた。 『精霊も必死になり過ぎて止まらなくなっておるな。さて、どうしたものか……取り敢えずここを離脱したほうがいい。このままでは太智の友人も巻き込まれてしまうぞ?』  今俺がここを離れたら、さらに収拾がつかなくなるんじゃないのか?! でも、ただの一般人の悠が巻き込まれたら、ただじゃ済まないし……。  思わず横目で悠を見て、その泣きそうな顔に俺は息を呑む。  嫌だよな……悠、マイラットのこと好きだもんな。俺だって嫌だ。このままだと、俺たちの旦那のどっちかが倒れるハメになる。  ケイロたちは国のために輝石を取り戻したい。マイラットは輝石を守りたい。  どっちの望みを叶えれば戦わなくて済む。そのためには――。 「……なあ、精霊たちって今、ケイロたちをどうにかすることじゃないと、言うこと聞いてくれないのか?」 『うむ、そうだな。目的が同じなら快く太智の望みに応えてくれるだろう』 「そうか、分かった……悠、悪いけど近くの木にでも掴まっていてくれ」  前を見据えて俺が一歩踏み出すと、悠が「太智!」と心配げな声を出してきた。 「いったい何をするの……?」  俺は悠に振り返って、親指を立ててケイロを指した。 「ちょっくら夫婦ゲンカしてくる」

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