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第10話 ラブラブ誕生日3

 俺が伊央利に贈ったのは、黒のマフラー。  伊央利が俺に贈ってくれたのは青のミトンの手袋。  恋人としてプレゼントを贈り贈られるのが、すごく幸せですごくうれしい。……うれしいけど。 「伊央利……なんか、これ子供っぽくない?」  俺はミトンの手袋をはめてみた。  それはとても暖かくて手触りもよくて、質が良いものだということははっきりと分かったが、高校三年生の男がミトンって……。 「だって、大和ってなんかミトンの手袋ってイメージだから」 「それって、俺のこと子供扱いしてるだろ? 伊央利」 「してないよ」  そう言って楽しそうに笑う伊央利は俺が贈ったマフラーを巻いてくれている。  漆黒のマフラーはクールな伊央利によく似合っている。  大人っぽい黒のマフラーと子供っぽいミトンの手袋……双子で同じ誕生日の二人なのに、この差って……。 「……やっぱり子供扱いされてる気がする」 「してないって。だって」  伊央利はそこで言葉を切ると、俺の肩を抱きよせ、自分の方へと引き寄せた。  伊央利の端整な顔が至近距離に迫り、 「子供扱いなんてしてたら、こんなことしないよ?」  そんな言葉と共にふわりと唇が重ねられた。  キスはすぐに深いものになった。  くちゅくちゅと二人の舌が絡み合う音が耳に届き、鼓膜を甘くしびれさせる。
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