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第11話 苦いキス、甘いキス

「……ん……伊央利……にが……」  伊央利のキスはビールの味がして、俺からケーキの甘さを奪っていく。 「大和の中は、甘ったるい……ケーキの味がする……」  キスの合間に伊央利が囁き、再び唇を深く重ねる。  苦くて甘いキスをしながら、伊央利の手が俺のシャツのボタンを外し始める。  唇を俺の顎から首筋へと這わせながら、伊央利はシャツの前を全開にしてしまった。  ゆっくりと胸元を這いまわる伊央利の手は俺の胸の突起にたどり着く。 「あっ……ん……」  そこへの愛撫は何回されても、とても気持ちよくて、俺の下半身はすぐに昂ぶってしまう。 「大和はどこも小さくて、可愛いな……」  唇で乳首に吸い付きながら、大きな手が俺の勃起を優しく握り込む。なんだかまた子供扱いされてる気がして、頭の片隅でちょびっとだけムッとしたが、今の俺は快感に浮かされてそれどころじゃなかった。 「あっ……やだ……そこ……伊央利……」 「ここ、気持ちいい……?」  右手で俺の昂ぶりを巧みに擦りあげながら、伊央利が自分の下腹部を俺の太腿に押し付けて来る。  伊央利のそこも硬く大きくなっていて。 「んっ……ん……気持ちい……」 「大和……」  酷く掠れた声で伊央利が俺の名前を呼び、視線を合わせて来る。  そして、その言葉を紡ぐ。 「大和……俺、今夜は止められないかもしれない……」 「伊央利……」  胸が甘くて切なくて痛くて……押し寄せて来る様々な感情に溺れそうになり、俺は助けを求めるように伊央利に縋りついた。

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