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第13話 抱擁2
「あっ……やっ……伊央利……んっ……」
それこそ頭の先から爪先まで、伊央利は俺の体を唇と舌と手で愛撫した。
伊央利の触れてくれた場所はジンと疼く。
俺はまるで体中が性感帯になったように、伊央利の愛撫に乱れてしまった。
「ああっ……あっ……そこ……やっ……伊央利っ……」
伊央利の部屋に響く俺のあられもない声。
普段なら必死で声を殺そうとしていただろうが、いまだ残るビールの酔いの所為で俺は大胆になっていた。
しかし。
手で俺の勃起を擦りあげていた伊央利が、あろうことか唇でそれに吸い付いたときには、俺は狼狽した。
「やだ、やだ……やだっ……伊央利……それ、やめてっ……」
手で愛撫されるだけでも気が狂いそうなくらい気持ちいいのに、唇で愛撫なんかされたら、本当におかしくなってしまう。
俺の下腹部に張り付いている伊央利の頭を引きはがそうとするが、意思とは反対に手には力が入ってくれず、腰が自然と浮き上がり、まるで伊央利にもっともっとと唇での愛撫を強請っているようだ。
「イッっていいよ……大和」
「いや……だめ……伊央利の中に出ちゃう、からっ……離して……」
俺の弱弱しい抵抗を伊央利は聞き入れることなく、
「いいから。イケよ……全部出して、大和の……」
綺麗な唇にくわえた性器を思い切り吸い上げる。
「ああっ……あっ……あ……あ……」
俺はあっけなくイッてしまった……伊央利の口の中で。
俺がイッたあとの気怠さに放心していると、伊央利は俺の下腹部から顔を上げ、俺と視線を合わせると、わざと見せつけるように俺が放った精液をゴクリと音を立てて飲み下した。
「~~~~っ~~~~伊央……伊央利っ……」
俺が真っ赤になって抗議すると、伊央利は端整な顔に艶っぽい笑みを浮かべて言葉を返して来る。
「他のものなら自分のだって、飲むなんてとんでもないけど、大和のは特別……だって、おまえのこれ甘いんだもの」
そう言ってペロリと舌なめずりする顔のエロいこと。
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