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第14話 抱擁3

 俺が返す言葉を失っている間にも伊央利の手は、俺の体を這うことをやめない。  イッたばかりの俺のそれを愛しくてたまらないとでも言うように撫でたかと思うと、その手は徐々に俺の双丘の辺りへと彷徨い、そして……。 「……っぅ……伊央利……」 「……大丈夫だから。力抜いて……」  伊央利の指が一本、双丘の奥の隠された小さな孔へと沈められたのだ。  伊央利の指は俺のそこを広げるようにぐるりと円を描き、そして指がもう一本沈められる。 「あっ……やだ、伊央利……怖い……」 「怖くない、大和……好きだよ……」  伊央利は優しいキスの雨を俺の顔に贈ってくれながら、指を内部でぐりぐりと掻きまわす。 「……ここらへんかな……」  伊央利が呟いたと同時に、内部の一点を強く押すようにされて、俺は体に電気が走ったような快感が走り抜けた。  それは全く未知の快感。  慣れない行為に強張っていた俺の体から一気にすとんと力が抜ける。 「やめ……やだぁ……伊央利……っ……」 「気持ちいい? ここ? 前立腺って言うんだよ。聞いたことあるだろ?」  伊央利が耳元で何かを言ってるけど、俺はそれを聞いている余裕もなかった。  グイグイとそこを押されて、俺はもう何も考えられずに一気に高みへと昇り詰めてしまった。

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