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第16話 そして、一つに

「大和……」 「いっ……ああっ……伊央利っ……」  小さな孔をギリギリまで押し広げて入って来る伊央利の雄。  苦しくて息ができない。 「大和……そんなに力入れないで……」  異物感と痛みにどうしても強張ってしまう体を労わるように、伊央利はすっかり萎えてしまった俺のそれを淫らに擦りあげる。 「ん……伊央利……」 「大和……」  伊央利はゆっくりと時間をかけて俺の中に雄を沈めて行った。 「……大和……大丈夫?」  汗で額に張り付いた前髪を優しくはらってくれながら、伊央利が掠れた声で囁く。 「だいじょぶ……伊央利……伊央利……」  お腹の中が伊央利でいっぱいいっぱいで苦しかったけど、今、伊央利と繋がっていると思うとそれ以上に幸福感に満たされた。  それは伊央利も同じだったみたいで、 「やっと大和と一つになれた……」  そんな言葉を紡いで、艶やかにそしてエロく微笑んで見せる。  俺たちはしばらくそのままで、一つに繋がったままジッとしていた。  やがて伊央利が耳元で余裕なく言った。 「……動いていい……? 大和……」  俺は答える代わりに伊央利の背中に回した両手に力を込めた。  伊央利は俺の唇にチュッと優しいキスをくれてから、ゆっくりと動き出す。  やがてそのスピードは増していき、俺の中をえぐるように突き上げて来た。  一瞬の痛みのあと、じわじわとした快感が込み上げて来る。  前立腺とやらを硬くて大きな雄で思い切り突かれると、痛みはまったくなくなり、体も心も伊央利が与えてくれる快感に呑み込まれてしまう。

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