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第18話 Side.Iori 惚気
大和は俺の腕の中で深い眠りへとついた。
薄っすらと唇を開けて眠る顔はあどけなく、はっきり言ってヤバいくらい可愛すぎる。
天使のような寝顔とよく形容するけれど、まさにその言葉は大和のためにあるんじゃないかと思うくらい、大和は天使度が高い。
俺は大和の背中を撫でていた手を髪に移動させる。
真っ直ぐで柔らかな髪はとても触り心地が良かった。
「でも、起きてるときはもっと可愛いんだよな」
大きな澄んだ瞳がとても綺麗で。
でも大和にはその自覚は全くなくて、自分は目立たなくてモテないと思い込んでいるから厄介だ。
本当のところは、大和は女の子に結構モテるし、それどころか男にもモテる。
俺が把握しているだけでも五人の男が大和を狙っている。
「絶対誰にも渡さねーからな、大和」
俺は決意を込めて、弟の柔らかな唇にキスをした。
いまだ俺たちは一つに繋がったままで、いい加減体を離して大和の体をきれいに拭いてやり、中に放った俺のあれも掻き出してやらなきゃいけないんだけど、まだもう少しだけこうして一つでいたかった。
目の前の天使を見つめながら、俺は長く苦しかった片思いの時間を思い出す。
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