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第19話 誰よりも愛してる
二卵性の双子の弟に恋焦がれていると気づいたのは、いつ頃だっただろうか。
俺はませてた方だったから、小学校の高学年の頃にはもう大和のことを意識していたと思う。
「いや、ませてたっていうより、単なる変態だっただけかもな……」
大和を起こさないように小さな声で自嘲気味に呟く。
中学生になる頃には、もうはっきりと大和への気持ちを自覚してたな。
大和のことをそういう目でしか見れなくなっていく自分が怖くて。
俺は大和のことを忘れようと必死で、告白してくる女の子たちと付き合って……それでも大和のことが好きで好きで。
もうどうしようもなくて。
結局、女の子たちとの付き合いは、俺には大和以外愛せないということをより強く気づかせただけだった。
「ん……伊央利……」
大和が寝言を言い、その愛くるしい寝顔がふにょんと緩む。
「……っ……やば……」
あまりに弟が可愛すぎて、彼の中にまだ入ったままの俺がまた反応しそうになってしまう。
俺は慌てて大和の中から自分の雄を抜くと、大和の中から俺が放った精液が驚くくらいたっぷりと溢れ出て来た。
「…………無理させちゃったかな……?」
自分の思いをセーブできなくて夢中になってしまった。
大和は俺のことをクールだとか言うけど、決してそんなことはない。
大和が相手だと俺は自分の思いを抑えられなくなってしまう。
「ごめんな……大和」
疲れ切って眠る弟の頬を優しく撫でた。
大和の体をきれいにして、パジャマを着せ、シーツも新しいものに変えると俺は彼の隣に体をもぐりこませた。
小さく丸まって眠っている大和を自分の腕の中に抱きしめると、大和は俺の胸に頬ずりして来る。熟睡しているときでさえ、こんなに愛くるしい仕草で甘えて来る弟に俺はだらしなく頬を緩め、抱きしめる腕の力を少しだけ強くした。
大和のスヤスヤと規則正しい寝息を聞きながら目を閉じ、物思いに沈み込む。
俺たちは今夜、双子の兄弟でありながら最後の一線を越えてしまった。
もう普通の兄弟には戻れないし、勿論戻りたくもない。
俺と大和の関係は決して許されるものではない。
もしも両親にバレたら親子の縁を切られるだろうし、他の誰に知られても後ろ指を指されることは必至だろう。
それでも、大和。俺はおまえだけは守るよ。
使い古された言葉だけれど、世界中の全ての人が俺たちの敵になってしまったとしても、俺はおまえを愛することはやめないから。
おまえが俺のことを好きでいてくれる限り、俺はおまえだけのものだから……大和……。
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