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第20話 Side.Yamato 翌朝

 チュンチュンと可愛くさえずるスズメたちの声に唆されて目覚めると、俺は伊央利の部屋で伊央利のベッドで伊央利の腕の中にいた。  思いが通じ合ってからは、こうしてどちらかの部屋のベッドで体を寄せ合い眠ることは珍しくなかったが、この日は特別だった。  昨夜、俺と伊央利はとうとう最後の一線を越え体を繋いだのだから。  昨夜のことを思い出すと、幸せな気持ちが込み上げるのと同時にものすごく恥ずかしくもあり、一気に顔が赤くなるのが分かる。  それに体がきれいになっている。  パジャマも着ているしシーツも新しいものになっている。  伊央利が俺の中に放ったものさえなくなってしまっている。  俺が寝落ちしてしまったあと、伊央利が後始末をしてくれたんだと気づき、より恥ずかしくなった。  伊央利が目を覚ましたら、どんな顔をして挨拶すればいいんだろ?   こんな真っ赤な顔をしてたら、昨夜のことをあからさまに意識しているみたいで(いや、実際そうなんだけど)余計に恥ずかしい。 「……ん……」  伊央利が小さく身じろぎをした。  あ、伊央利が起きちゃう。  俺は咄嗟に布団の中にもぐって、伊央利の視線から逃れようとした。  とにかく恥ずかしくて。 「……大和? おまえ、何してんだ?」  伊央利がまだ半分寝ぼけている声で、俺に聞いて来る。 「な、なんでもない。まだ眠いだけ」 「……今、何時?」 「知らない」  本当は十時過ぎだと知っていたけど、あえて知らないふりをする。  そうこうしているうちに伊央利はすっかり目が覚めたようで、俺のわきの下に両手を入れて、自分の目の高さにまで俺を引き上げてしまった。  目と目が合った瞬間、伊央利が小さく笑う。 「大和、おまえ顔、真っ赤。俺が起きるまで何考えてたの? エロいこと?」 「ちっ違う!」  俺が必死になって否定しても、伊央利はクスクスと笑いながら、「可愛い」と繰り返し、何度もキスをした。

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