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第40話 二人でのお風呂

 伊央利と一緒にお風呂に入り、泡立てた手で体をあますことなく洗われる。 「あっ……ん……伊央利……そんなところまで触られていないって……っ……」 「そんなの分からないだろ? おまえは気を失ってたんだから」  そんな言葉と共に伊央利の手が俺の性器を愛撫するように洗っていく。  いや、絶対にそんなところまでは触られていない。  だって、俺は上半身こそ乱され、おへその辺りまでむき出しにされていたけど、ズボンの方はしっかりベルトまでしていたもの。  そう伊央利に訴えても、彼は聞き入れてくれない。 「ズボンの上から触られてるかもしれないだろ? 俺はそれだって許さない」  そして兄の手はしっかりと俺のそれを勃起させることを目的とした動きをする。  もう片方の手は乳首をくるくると転がすようにしていて、気持ちよさに俺は甘い声を抑えることができなかった。  バスルームでのエッチな行為は、喘ぎ声にエコーがかかってより一層恥ずかしい。  俺は自分自身の甘ったるい声と、耳朶を噛む伊央利に煽られる形で一度目の高みへと昇りつめた。  はあはあと荒い息をつく俺の耳元へ息を吹きかけながら、伊央利が嬉しそうに囁いて来る。 「単に洗ってあげてただけなのにイッちゃって、そんなに気持ちよかった? 大和」  嘘だ、伊央利の手の動きは明らかにやらしい意味を持って蠢いていた。 「……っ……知らないよっ……」  恥ずかしさのあまり俺が拗ねて見せると、伊央利は手の動きを再開する。  双丘をそれぞれの手で揉みしだきながら、右手の中指をその奥の隠された小さな孔へと挿入する。 「あっ……、やっ……」 「さすがにここまでは、触られていないだろ……」 「あ、当たり前だろっ……っあ……」  指が二本に増やされた。  ボディシャンプーの滑りを借りて、伊央利が二本の指を激しく出し入れする。 「あっ……やだっ……だめっ……」  二本の指が前立腺を掠め、その度に俺の腰が淫らに揺れるが、決定的な刺激には何かが足りない。 「大和は後ろでイクのが好きだもんな」 「なっ……な……あっ……」 「後ろで、俺のこれに突かれて、さ」  伊央利はそう言うと、抜いた二本の指の代わりに自らの勃起した雄を俺のそこへとあてがった。  雄の先端が俺の入り口に少しだけ挿入される。 「あっ……あ……」  でも、そんなんじゃ足りない。  もっともっと奥を伊央利に突いて欲しい。

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