22 / 24

第22話

 蛇口をひねり、さらに水量を上げた。  酔っていたとはいえ、弟と何て事を。 「この後、どうやって顔を合わせたらいいんだ? 何と声を掛ければ?」  髪をぐしゃぐしゃと掻き回し、唸った。  胸に浮かぶのは、昨夜の隠微な凌也。  そして、今朝の爽やかな凌也。 『おはようございます。朝食、準備しておきますから』  何事もなかったかのように、自然にふるまう弟の姿がそこにはあった。

ともだちにシェアしよう!