「ぁひっ！んぁあっ！ぁぁあ」 激しい突きに、清比古が快感と苦痛の混じる悲鳴をあげた。 「もっとだ。いやらしく悶えて喘ぐ淫乱な清比古をもっと見せてくれ……」 「あひっっ……あ……あきらぁ……」 清比古の歓喜を、艶めく喘ぎが彩る。 「んっ……んっ……ぁあっもう、ダメだ！……手が、ネクタイ、外して！」 「駄目だ。忘れたのか？清比古は今、俺の人形なんだぞ」 「ぁーーうーー。でも、彬の躰にさわりたい。あきら……ぁあうっ…ぁうっ」 快楽に頭が霞んできたのか、子供みたいに駄々をこねて苛立ち混じりに腰を揺らしている。 「しょうがないな」 乱雑に拘束を解く。 すると清比古は尻から抜けるのも構わず跳ね起きた。 そして掴みかかるように抱きつくと、俺の首筋に口づけを散らし、舌を這わせてくる。 なぜ唇を合わせないのか、不思議に思って顔を覗くと、頬を染め、上目遣いで見上げて口をパクパクと開閉する。 冷静さを失くし理性も消えかけているくせに、それでも変に遠慮をしているらしい。 小さな顔を手で支え、ゆっくりと唇を寄せた。 「あきら……あきら……すき……すき……すき……すき……」 合わさった唇の隙間からうわ言のように呟く。 そして俺のイチモツに腹をすりつけ、再びの挿入をねだってきた。 「清比古、はしたなく足を開くんじゃなく、どうして欲しいか言葉にしてごらん」 「ん……ぁぁ……僕を可愛がって。ううん、可愛いがらなくていい。太いイチモツで貫いて。犯し貪って、彬の好きにして、そして僕だけに夢中になって」 なだらかな足をなでる。 そして火照った躰を仰向けに転がし、再び貫いた。 半勃ちの清比古のイチモツがヒクンと跳ね、薄っすら白濁の混じる淫水をこぼす。 「そんな風に犯される想像しながら張型で尻を慰めていたのか？」 清比古の興奮が高まるほどナカもより心地よくなり、かき混ぜるたび頭が痺れた。 「んぁあぁ…はぁ……ぁあっ……想像……してた。彬が必死に汗をたらし、荒い息で無茶苦茶に貪ってくれたらって。何度も求められて、ぁあ……僕も彬も何度も昇天して……ふふふっ…それでも彬はもっともっと僕が欲しいって、んっんぁあ……許してくれないんだよ」 濃厚な色香をまといながら、無邪気な少年のように清比古が笑う。 薄い胸にあの頃よりしっかりと勃起するようになった乳首が存在を主張している。 それを優しく噛む。 「ふっ……ぁふっっ……あぁあっっっっ。うそだ……」 頭を横にブンブン振って、激しく身悶えた。 「何が『うそ』なんだ？」 「……ぁあっ……どうして？さっきよりも……感じやすくなって……。ぁああっっっ！イイっ……イイ！」 清比古が身をよじるせいでコリコリとした乳首が引っ張られ、それにまた悶えた。 「いつもここで遊んでるから、女みたいないやらしい乳首になったんじゃないのか」 「ぁひ……違う……ぁああっっっ。本当にいつもはこんなに……ぁくっ！」 両乳首を指でコリコリと弾けば、両足をぎゅっと縮め、顔を振って悶える。 俺の腰に絡みついてくる膝を開き、グッと押さえつけた。 密着度が増し、俺の怒張が清比古の菊座にキュウっと吸い上げられたように感じた。 裏筋から背中にゾクゾクと快感が走り上がる。 清比古は切なげに眉を寄せ、緩んだ口から飲み込めない唾液を溢れさせた。 「んんんぁぁああ……！ぁきらっ……あひらぁあ……」 「もしかして、気をやったのか？」 「ゔぁぁ……いまっ、イって……ぁぁあイイっ…彬っ好(イ)イっっっ！ねえ、あきらが、僕をこんな淫乱にしたんだよ？あきらは？あんな木偶(デク)よりも僕の方がイイだろう？ねえ、僕の方がイイよね？」 「そうだな。人形(あいつら)は清比古みたいに乱れ狂う姿を俺に見せることなどできないからな。だが、もっとだ」 ドクドクと脈打つ怒張で丁寧にナカを擦り立て、じっくりと俺の興奮を教え込む。 すると清比古の足の指がキュとシーツを掴んで震えた。 「ぁ………ぁああ……深い、はぁあ……深く快楽が沁みこんで……」 激しく悶え続けていた清比古が、フツリと糸が切れたように弛緩した。 そして海底にたゆたう人魚のようにゆったりと身をよじる。 しかし尻だけはヒクンヒクンと絶頂し続けていた。 息が浅い。 「……ぁ……はぁ……あき……らぁあ」 焦点の合わぬ目で俺を見つめ、口からのぞく赤い舌先を小さくふるわせ、呂律の回らない声で名前を呼ぶ。 「清比古、君は俺だけのものだ。もう離れることは許さないからな」 淵の赤く染まった目がゆっくりと細まる。 「あきら……すき……すき……すき……」 本当に人形になってしまったように力の抜けた躰。 「あきら……もっと僕でキモチよくなって……ナカにだして。いっぱい、いっぱいほしいよ。あいつらに与えたより、もっともっとイッパイ僕に精を飲ませて」 欲張りな人形の求めに応じ、ヒクつく菊座を好きに貫き、快感を得る。 「っっ……はぁっ清比古……清比古っっ……！」 肩で躰を支えるほど、細い腰を持ち上げ、グッと下に突き刺す。 「ぁくぅ……ゔぁっ……ぁあっ！」 小さな躰を押さえつけ、熱い穴を激しく突き立てれば、逃れられない快感に甲高い悲鳴が上がった。 清比古の陰茎はかたく自らの腹に刺さり、俺が激しく動くたびに敏感な先端が押し付けられ刺激されている。 そのせいで強い射精感に襲われているのだろう、陰嚢が丸々と膨らんでいた。 「っ……はぁ…清比古、自分のモノをしごいて見せて」 「え……や……」 「俺も、もう出る。だから一緒にいこう」 一緒にという言葉に反応し、清比古の表情がふわりと緩んだ。 そして、自らの昂りを控えめにしごく。 けれど俺はその上から手を握り、もっと激しく動かすよう促した。 「あっ…… だ、だめだ、僕……ダメ、らめっ……違う……これ……ちあうっっ」 甲高い声で嫌がりながらギュッと根元を握りしめる。 おかまいなしに、のしかかって激しく中を突き立て犯せば、清比古の腹筋が強く引き絞られた。 「ゔぁっっ……やっ……やっ……！ソコっっまって！違うの……でるうぅぅっ」 プシャ！ 激しく液体が噴出し、清比古の顔がぐっしょりと濡れた。 「ぁひっ……ぁああああ！！！ぁ……はぁ……ぁたま……おかしく……なる。やっ……！まだでる……でる……やだ、見ないれ！」 制止する声は興奮のさなかにある俺の興奮をさらに呼び起こすけだ。 「……これは……精液じゃない？漏らしたのか？」 「ぁああ……ちがう……ちあうから……」 確かにしとどに濡れた寝具に色染みはなく、微かに海水のような匂いがした。 放出が止まっても、強く突けばまた淫水が漏れる。 「こんなに漏らすほど気持ちがいいのか？」 「……ん。はぁっっ……イイっ……イイっ」 力が入らず重そうな両手でぐしょ濡れの顔を隠し、何度も小さく頷く。 「そうか。ほら、手をどけて。清比古の快楽に溺れる表情(かお)を見ながら達したい」 「……」 しかし、意図せぬ放出に脱力した清比古は指の隙間から俺を覗き見るだけだ。 その指にチュ、チュ……と口付けを散らした。 「淫乱な君も好きだと言っただろう？」 「……ぁきら……」 恥ずかしそうに手を外す。 そして泥酔したような目でトロンと俺を見つめた。 「僕だけおもらしだなんて……やだ。あきら……ちょうだい。あきらに中に射精(だ)してもらうの大すきだ」 呂律の怪しい口調でねだる。 だらしなく緩む愛らしい唇を吸い、グッグッとねじ込むように熱い剛直を打ち付けた。 「ゔぁ……ぁあ……ぁっっ……！」 その度に壊れたおもちゃのように、清比古の陰茎から淫水がほとばしる。 「清比古……射精(い)くぞ……っっ……くっっ！」 「ぁっイイっ！ぁあんん……イイっっっっ。あったかいのっっ入ってくる！」 射精(だ)しながらも、激しい快感に腰の振りが止まらない。 「ぁひっっっ！ぁきらっ……ぁぁっ！ぁひっ……ひぁっ…イイっ……イクッ…僕もう……壊れ…ぁ……」 熱い精液が満ち、滑りの良くなった内壁の感触に夢中になる。 躰を強く折り曲げられた清比古は、逃げ場のない快感に叫び泣いた。 「ぁきら……ぁ……」 やや長めの射精が終わると、清比古は糸が切れたようにぐったりとしていた。 繋がったまま清比古の腰を下ろし、優しく抱いていたわる。 焦点の合わぬ目は魂が抜けてしまったようだ。 「大丈夫か？」 「…………」 俺の言葉に反応すら返せない。 薄く開いた唇に優しく口づける。 ——壊れた清比古を再生する。 そんな気持ちを込めたが、彼に伝わっているかどうかはわからない。 しかし何度も優しく口付けているうちに、ようやく清比古も口づけを返してくれるようになった。 「清比古、君は人形なんかとは比べ物にならないくらい素敵だよ。これで俺の気持ちも伝わったか？」 聞いているのかいないのか、今度は執拗に口づけてくる。 「こら、聞いてるのか？」 「ん……も……どうでもいい。ぼく、あきらのおちんぽもらえれば、なんでもいい……」 快楽に壊れた清比古が、淫に濡れた目で小さく微笑んだ。 「そうか。吹っ切れたならそれでいい」 「ん……」 優しく髪をなでる。 清比古は重そうに腕を上げ、その手をみずからの腰に導いた。 「もっと……」 「え……？」 「おちんぽ……して」 甘ったるい声の、哀願のフリをした命令。 「………はぁ。本当に、君は。もう動けないほどきついんじゃないのか」 「だって、まだおしりが、あきらに犯してほしいって、ジュクジュクしてる」 「しおらしくしていたくせに、やっぱり君は欲張りで、わがままだ」 俺の言葉に口の端を上げ、甘え、腕を絡みつかせた。 数年ぶりに躰を合わせた愛しい男に求められれば、俺のイチモツもゆるりと力を取り戻し始める。 「何度も壊れて、バラバラになればいい……」 人形のように力の抜けた躰をかき混ぜ揺すれば、俺の陰茎もしっかりと芯を持った。 大きく抜き差しすれば、タップリと精液を受けた尻がグチュグチュと鳴って白い泡を漏らす。 「いやらしい音だ」 「くふふ……僕には、あきらのおちんぽが僕のことすき、すきって言ってくれてるみたいにきこえる……」 「そうか。……そうだな」 今の清比古は、何をしても喜ぶ、俺の可愛いセックスドールだ。 彼の腰を高く持ち上げ、陰茎をしごき、綺麗な顔に吐精させても、嬉しそうに甘えてきた。 頃合いを見て再びたっぷりと中に注ぎこめば、細い声で「このままもう一度犯して」と懇願する。 しかしとっくに力尽きている清比古は、いやらしく俺を求める言葉も切れ切れに、スッと意識を手放した。 彼に求められるまま、愛を注ぎ続けた俺も体力の限界に近い。 しかしベッドは清比古の淫水で濡れ、とても休める状態ではなかった。 眠った清比古の躰を簡単に浄めると、抱き上げ、普段使うことのない客間に移動した。 清比古をベッドに寝かせると、一人寝室に戻る。 「まったく、清比古は。……こんな人形なんぞに俺が欲情し、交わっていたと本気で信じるなんて……」 ベッドサイドの生き人形が上目遣いで俺を見つめる。 それまで清比古の似姿として接していたが、本物の清比古を取り戻した今では、似ても似つかぬただの人形だった。 「お前にはまだ大切な役割が残ってる。わかってるだろう？」 彼らのたどる道は一つしかない。 俺は晴れ晴れとした気持ちで、生き人形に白い布をかけた。