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第3話 「海が綺麗ですね」

勉強を頑張ったご褒美だとかで来た海 まだ少し肌寒さはあるけれど、着々と夏の訪れを知らせている 「テスト、どうでした?」 「普通、です、かね」 「そうですか。なら大丈夫ですね」 そう言って砂浜を歩く 時間が、夜を呼んでいる 不意に足を止めて、夕日を見る 視界に映る、少し赤みを帯びた海 海に来るのは、何年ぶりだろうか きっと連れてきてもらわなければ、これから先見ることは無かったのではないだろうか 「久しぶりに来ましたよ」 「……一緒ですね」 貴方と同じだということが、少し嬉しい 「……あの、」 「はい?」 「……海、綺麗ですね…」 「はい、そうですね」 なんて事無い゛一緒゛が嬉しいほど、 貴方に溺れています

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