3 / 50
第3話 「海が綺麗ですね」
勉強を頑張ったご褒美だとかで来た海
まだ少し肌寒さはあるけれど、着々と夏の訪れを知らせている
「テスト、どうでした?」
「普通、です、かね」
「そうですか。なら大丈夫ですね」
そう言って砂浜を歩く
時間が、夜を呼んでいる
不意に足を止めて、夕日を見る
視界に映る、少し赤みを帯びた海
海に来るのは、何年ぶりだろうか
きっと連れてきてもらわなければ、これから先見ることは無かったのではないだろうか
「久しぶりに来ましたよ」
「……一緒ですね」
貴方と同じだということが、少し嬉しい
「……あの、」
「はい?」
「……海、綺麗ですね…」
「はい、そうですね」
なんて事無い゛一緒゛が嬉しいほど、
貴方に溺れています
ともだちにシェアしよう!