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第15話

顎を指で支えて上を向かせ、唇を重ねた。そっと中に舌を入れると彼も応えてくれる。 口の中をかきまぜ、絡み合いながら、手をゆっくりとルームウェアのすその中に入れた。 素肌に触れるとひくっと広瀬の身体が動く。 平たい腹から胸までなであげた。広瀬の体温より自分の手のひらの方が高いせいか、少しひんやりと感じる。 胸の小さな突起を探り指でなぞった。指の先で、形を確かめ、擦ったり押しつぶしたりするうちに、すっかり固くとがってくる。 その間も口の中を舌でかき回し、唇を吸った。 最初の内は優しくできたが、広瀬が息をあげ、苦しそうにするのに刺激されて、かえって乱暴になってしまう。 口を放すと広瀬は何度かせわしなく息をした。 息苦しかったせいで目に涙の膜がはっている。零れ落ちる前に、東城はソファーの上で、広瀬に覆いかぶさった。 背中をそらしてのけぞった白いうなじに甘く歯をあてる。広瀬はまたピクリと身体をうごめかせた。 家の中にいることが多かった広瀬の肌は白い。そこに自分の痕を存分につけようと、ゆっくり時間をかけて首や顎に甘噛みを続けていると、もどかしそうに腰をゆらした。 誘うような小さな声が広瀬の喉から聞こえた。 緩く着ている部屋着をどちらからともなくお互いに剥ぎ取って、素肌を合わせる。 丁寧にもう一度、指をはわせ、唇で、舌で、彼の身体を可愛がっていった。広瀬の体温も自分と同じくらいにあがってくる。 彼が、欲望をこすりつけ、腰を揺らす。 東城は、もう一度キスをした。こうして混ざり合っていれば、広瀬は自分自身になる。 広瀬を自分の腕の中に力を込めて抱き込んだ。 抱き合っていながら、ふと、ローテーブルの上にある白石の著書が目に入った。 白石のことは後で、調べなければ。自分の会社に勧誘する以外に広瀬に近づく理由がないかを確かめる必要がある。 自信満々の傲岸な男の写真が頭の中に浮かんだので、上から黒く塗りつぶした。 今は、広瀬のことだけで十分だ。

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