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第49話

それから、東城と二人で一緒に家の中の戸締りをくまなく見て回った。 全て、昨日と同じでしっかり鍵がかかっている。 全部大丈夫、と安心して、最後に一階の玄関の鍵を確認しに行ったら、両手で持ち上げられるくらいの段ボール箱がポツンと置いてあった。 一瞬、不審物かと思ってドキッとしたが、東城は心当たりがあるようで、あっさりと拾い上げた。 さして重くはなさそうだ。 広瀬の視線に、東城が言う。 「頼んでたものが宅配ボックスにきてたんだ」 広瀬が家に戻ってきてから、東城は宅配ボックスを裏門の付近に設置した。かなり頑丈そうで大きな黒い宅配ボックスだ。 以前は、宅急便などの荷物は石田さんが家にいるときに受け取ってもらっていた。 石田さんは週に何回か家に来てくれているし、広瀬もついこの前までずっと家にいたのだが、東城は約束のない急な来客は、誰であれ、宅急便でもなんでも、応対しないで欲しいと、依頼と言うよりも強制のように言って、宅配ボックスを取り付けたのだ。 宅急便のふりをして誰かが広瀬をさらいに来ると思っているようだ。 広瀬はもともと自分のところになにかが来ることはほぼないので、宅配ボックスを確認するという習慣がない。 親戚がやたらとモノを送ってくる東城がもっぱら中をみている。それに最近は、通販でもよくモノを買っているので、かなり稼働はしているようだった。

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