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第115話
不思議に思ったのが伝わったのだろうか、忍沼は説明する。
「僕は長年この実験の写真を見てきたからね。この中の人間は全員家族と同じくらい目に焼き付いてる。大垣がこの男だっていうのはすぐにわかったよ。それに、画像解析でも一致度が高いんだ。この実験の写真の男は、大垣だ」
確信のある声だった。
「それで、あきちゃんはあの実験の関係者が、君のおじさんたちの中にまだいたってことは知ってた?」
広瀬は首を横に振った。
だが、父の友人たちがあの子供を使った記憶の実験にかかわっていたことは十分にあり得る。大垣がその中に含まれていても驚かない。
忍沼は笑顔を作ろうとして失敗したような、ゆがんだ表情になった。
「あきちゃん、僕は、あの実験に関係した大人たちを探しているって前に言ったよね。大垣はその一人だ。ずっと探していた一人が君のおじさんたちで、あきちゃんを傷つけようとしてて、そのせいでこんな形で僕の前に現れるなんてね。運命の神というのは存在するって本当に思うよ」
途中から忍沼が何を言っているのか広瀬にはわからなくなった。
忍沼は写真を見せながら説明を続ける。
「この大人たちについては、証言が得られている。被験者に異常行動やそれに伴う死が起こっているとわかっていながら、研究を継続させた人間たちだ。それどころかさらに子供を使い、実験を拡大させた」
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