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第1話 親友の佐々城くん

僕の名前は、巡野 恵(めぐりの けい)。 そして、僕は高校1年生。 この春から入学する。ピッカピカの1年生! 期待とドキドキと、ちょっぴりの不安。 でも、なによりも嬉しいのは、僕の隣には 彼がいること。 彼は、頭がいいから、 僕の志望の高校よりもレベルの高い高校を受験するって勝手に思って、 離れちゃうって悲しくなってたけど、 一緒のとこを受験すると言ったときは、 とてもびっくりした! 小学校からずっと一緒にいたから、 離れるなんてちょっと寂しいと思っていたんだ…。 「なにニヤニヤしてんの~?」 と、隣を歩く彼は言う。 「うわぁっ!えっ、なっ、なんでもないよっ! えとっ!あのっ、 にゅ、入学式楽しみだなぁって…」 「そうだよね~! 俺もすっごく楽しみなんだ!けーちゃんと一緒のクラスがいいなぁ~♪」 と、キラキラの笑顔で答える彼。 彼は、僕の事を 恵(けい)、だから、けーちゃんと呼んでくれる。 こんな風に親しみを込めて呼んでくれるのは、彼だけ。 …そもそも、僕に友達なんてっ…ほとんど いない…。 恥ずかしくて、なかなか声をかけられないんだ。 …っでも! 高校生からは! 絶対に、友達をつくるんだっ~!! ――それから僕らは他愛ない話をしながら、 高校へと歩いていった。 そして、僕は彼と他愛ない話ができることに、幸せを感じていた。 そう、彼とは、 僕の親友であり、僕の憧れの人。 佐々城 涼誠(ささき りょうせい)くん。

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